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2004/03/15
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麻酔科医が足りない!
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東北大学医学部では、麻酔科の医局に所属する医師25人のうち11人が、他の病院への就職や産休などを理由に、3月末で退職または休職する。4月からの臨床研修必修化に伴って、新たに大学の麻酔科へ配属される研修医もいない。そのため医局では、大学病院の手術を担当する麻酔科医を確保する目的で、関連病院への麻酔科医の派遣を打ち切るという。また、難易度の低い麻酔については、「麻酔標榜医」という認定資格を持つ外科系の医師に担当させる予定だ。
こうしてやりくりしても、麻酔科医の不足から手術数は現在の8割程度に減らさざるおえず、必然的に手術の待ち時間が長くなる。また、麻酔科医が不在となった関連病院の手術数にも大きな影響が出てくる。 麻酔科医の不足は東北大学医学部に限ったことではなく、似たようなことは全国でおこっている。
2000年末の厚生労働省の調査では、麻酔科を専門とする医師は5715人。麻酔科医は年々増加してはいるが、手術数、特に全身麻酔をする手術数も増え、麻酔科医1人あたりが担当する手術件数は10年前とそれほど変わっていない。しかも、長時間に及ぶ手術が増えているのに加え、手術前の診察や検査、術後の疼痛管理、救急医療、ICU(集中治療室)の管理、さまざまな病気による痛みの治療をするペインクリニックなど、麻酔科医の仕事領域はどんどん広がっており、多くの人手が必要とされている。
ところが、麻酔科は激務であることや、麻酔科医は一部の外科系医師から低く見られることがあり人間関係が難しいこと、将来開業がしにくいこと、などの理由から麻酔科を志す医学生の絶対数が少なく、麻酔科から他の科へ専門を変える若手医師も後を絶たない。麻酔科は女性医師の比率の高い科の1つだが、夜間の緊急手術や当直などが多いため、出産をきっかけに辞めていく女医が少なくないことも、人手不足に拍車をかけている。
こうした麻酔医不足の現状に手をこまねいて、麻酔科医が手術を掛け持ちしたり、麻酔科が専門ではない「麻酔標榜医」が麻酔をかけたりしていたのでは、医療事故などを招く恐れがある。
そのため、大学の麻酔科医局では、入局希望者を増やし、医局員のドロップアウトを防ぐため、結婚・出産する女性医師をサポートする制度を設けるところが増えてきた。また、麻酔医がいない病院に、開業麻酔医やフリーの麻酔医を派遣して手術時の麻酔や術後管理などを行わせる民間の麻酔医紹介センターも出てきている。
産休などで休職していた女性麻酔科医の復職、フリーの麻酔科医の登用など、麻酔科医不足を解消するためのさまざまな試みは歓迎すべきだが、患者にとって麻酔をかけるということは常にリスクがつきまとうもの。厚生労働省や大学病院を始めとする医療機関、麻酔科医の専門家集団である日本麻酔科学会が、麻酔科医のレベルの維持・向上やリスクマネジメントに力を注いでくれることを望みたい。
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