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2004/03/15
ワクチンを鳥にうつべきか?
   鳥インフルエンザの被害が拡大している。その被害は3月8日、養鶏業者「浅田農産」会長夫妻が自殺する事態にまで発展した。

 養鶏業者にとって、鳥インフルエンザを早急に解決しないことには、経営がなりたたい死活問題になった。

 BSEは牛に食べさせる飼料を変えることでその感染蔓延を防ぐことができる。BSEの感染源であるプリオンが集まりやすい部位は決まっているので、そこを食材に使わなければ、危険性は低い。

 しかし、鳥インフルエンザウイルスは、渡り鳥などによって簡単に国境を越えてくる。しかも鳥から鳥へ感染するウイルスは、養鶏場のような密閉した空間ではあっという間に感染が広がってしまう。BSEと違って感染から死にいたるスピードも速い。鶏にとっても養鶏業者にとっても、死のウイルスである。

 その鳥インフルエンザに対して、ワクチン接種をして封じ込めようという議論が始まった。

 養鶏業者は、鳥インフルエンザワクチンを鶏に接種して、感染を防ぎたいと主張している。これに対して、ワクチンの専門家は、ワクチン接種によって感染防止ができるという過信は禁物だ、と慎重な立場を崩さない。

 農林水産省も、ワクチンの効果が不完全である、とその使用に慎重だ。というのは、鶏にワクチンを接種しても感染をゼロにすることは不可能だからである。人間のインフルエンザウイルスと同じような限界がワクチンにはあるのだ。

 そして、ワクチンをうつことで鳥にインフルエンザが感染したとしても、その症状が見えにくくなってしまい、その鶏を処分するタイミングを逃すと、感染がさらに拡大する危険もある。

 そればかりではない。鳥インフルエンザウイルスは未解明な部分が多い。このウイルスが鳥からヒトに感染するように突然変異する可能性もある。

 こうしている間にも、鳥インフルエンザは拡大している。

 安心して鳥を食べられるようになるまで、しばらく時間がかかりそうだ。
名護 千夏


プロフィール
 医療、看護、介護を得意分野としている。趣味はパソコンと読書という根っからの仕事中毒。インターネットや携帯電話で、人々のコミュニケーション方法が大きく変化していること、バイオテクノロジーなどの最先端技術の進歩によって、体についての意識も変わってきている。この動きを、いまの時代のニーズをすくいあげて伝えることを心がけている。

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