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2004/03/08
障害者の地域生活支援も自助努力へ
   身体障害者や知的障害者はどんな生活をしているのか、と考えたことがあるだろうか。身内に障害者がいない時、ピンとこないかもしれない。自分ひとりの力で働き、生活することができる、大多数の普通の人にとって、障害者の日常は遠い世界の話である。しかし眼を転ずれば、痴呆のお年寄りや、体力のない病人が身内にいる人は超高齢化社会になって急増しているのではないだろうか。

 障害者の生活を支援するとは、そのような身近な問題と共通点がある。
 
 いま、障害者の地域生活のありかたが変わろうとしている。
 
 厚生労働省は、04年度から障害者の入所施設をあたらしくつくること、定員が増えたことを理由にした増改築について原則として国からの補助金を出せないことを決めたのである。

 いままで厚生労働省は障害者を入所施設にいれることで、公的な福祉サービスを提供してきた。しかし、今後は、障害者が地域で暮らす「脱施設」を進めていく。

 「脱施設」の流れが定着すれば、障害者を施設にとどめおいて、社会との交流が限定されるという不満が解消されるだろう。

 だが、いま、施設に入所している障害者は約32万人。その人たちにたいして急に、「脱施設になったので、施設を出て自立的な生活を送ってください」というのは現実的ではない。生活にはお金がかかる。その生活力がないから障害者なのである。

 杉並区の知的障害者施設「すぎのき生活園」では、運営資金の問題に直面している。今年度は杉並区から約180万円の補助金が出たが、04年度はどうなるのかわからない。不安定な経営を余儀なくされている。

 一方、障害者の24時間生活支援を進めている名古屋市のNPO法人「コンビニの会」は、約1年で民間からの募金と融資を約8000万円集めることに成功し、鉄筋コンクリート3階の施設を自前で所有、運営している。

 障害者施設への行政からの補助金が打ち切られることで、施設運営の「勝ち組」と「負け組」に別れることがはっきりしてきた。

 この流れは、障害者だけでなく社会福祉サービス全体に及ぶことは確実だ。

 もっとも弱い人たちが、行政からの補助なしで自立を強制されることは、時代の流れとはいえ残酷である。
名護 千夏


プロフィール
 医療、看護、介護を得意分野としている。趣味はパソコンと読書という根っからの仕事中毒。インターネットや携帯電話で、人々のコミュニケーション方法が大きく変化していること、バイオテクノロジーなどの最先端技術の進歩によって、体についての意識も変わってきている。この動きを、いまの時代のニーズをすくいあげて伝えることを心がけている。

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