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2004/03/08
注目を集めるNST(栄養サポートチーム)
   NST(Nutrition Support Team:栄養サポートチーム)という言葉をご存じだろうか。これは、医師や看護師、薬剤師、栄養士などが一つになって、患者に適切な栄養管理を行うチームのことである。アメリカでは、総合病院の約半数にNSTが設立されている。日本は立ち後れていたが、ようやく栄養管理の重要性が認識されるようになり、今、全国の医療施設で次々にNSTが立ち上がっている。

 NSTが行う「適切な栄養管理」とは、患者にもっともふさわしい方法で、栄養状態を良好に保つことだ。入院患者は栄養士がカロリー計算した病院食を食べているのだから、栄養状態が悪いはずがない、と思うだろう。しかし、抗がん剤の副作用で食欲がない、脳卒中の後遺症で飲み込むことができないなど、様々な理由で栄養不良に陥っている患者が数多く存在するのだ。

 NSTは、まず患者の栄養状態を調べ、栄養管理が必要かどうか判断する。そして、患者に適した栄養管理方法を選択する。栄養管理の方法には、口から食べる「経口摂取」、静脈から栄養剤を投与する「静脈栄養」、鼻などから管を通して胃や腸に栄養剤を注入する「経腸栄養」がある。腸が正常に働いていれば、静脈栄養より経腸栄養を選択し、さらに経口摂取できるように、嚥下(飲み込む)訓練なども行う。腸を使うことで免疫力を維持でき、経口摂取できるようになると生きる意欲も湧いてくるからだ。

 適切な栄養管理が行われていなければ、回復が遅く、また、たとえ難しい手術が成功しても感染症や合併症を併発し、死に至ることもある。それだけに、NSTの存在意義は大きい。NSTを設立している施設からは、入院期間が短縮できた、感染症の併発が減少した、経口摂取ができるようになった、など多くの成果が報告されている。これからは、NSTを設立しているかどうかが、病院の医療レベルを評価する一つの基準になるだろう。
松崎 有子


プロフィール
 高齢者福祉や医療分野の取材・執筆を続けているフリーライターです。2000年4月、「ホームヘルパー最前線〜年寄りの暮らしと在宅介護〜」というホームヘルパーに焦点を当てた単行本を出版しました。これから、介護保険が始まって現場がどのように変わったか、を取材したいと思っています。ちなみに趣味は読書です。いや、これも仕事の一部かも知れませんねえ。

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