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健康ニュース
 
デイリーニュース

2000/10/30
エコノミークラスの座席が人を殺す!?
 
「エコノミークラス症候群」 飛行機の座席で死亡者が

 海外旅行が身近になり、毎年数百万人が日本を飛び立っている。20時間を越える飛行時間を我慢すれば地球の裏側まで、かなり安い値段で移動できる時代である。海外旅行につきまとう危険といえば、現地での治安、食事、病気と相場は決まっている。そのリスクを軽減するために、海外旅行保険に加入したり、食中毒とは縁のない清潔なレストランで食事をすませることは常識であろう。
 だが、飛行機の座席は、「エコノミークラス症候群」という聞きなれない病気を招く温床となっていることがわかってきた。

 ロンドンのヒースロー空港で今月、到着直後に死亡した英国人女性がいた。彼女の直接の死因は血液障害だったが、詳しく調査した結果、長時間エコノミークラスの狭い座席に座っていたことによる血液障害が原因となって起きる「エコノミークラス症候群」だったのだ。この女性はシドニーオリンピックを観戦し、シドニーから香港経由で20時間の飛行時間を経て帰国。ヒースロー空港に到着直後に意識を失って死亡した。


長時間の飛行機中でも水分補給は大切

 長時間にわたって狭い場所でじっとしていると血液の塊ができて、これが血管を詰まりやすくする。乗客は、飛行中にトイレをつかわないようにという配慮から水分補給をしない傾向がある。しかも飛行機内は通風状態が良いために体から水分が蒸発しやすい環境になっている。じっとしているから水分は必要ないと思いがちだが、飛行機内では普段よりも水分を取らないと、血液が固まりやすくなるのだ。

 予防方法は、機内でミネラルウオーターを飲むことと、1時間に数分間、足を動かして血液の循環を良くすること。ビールなどのアルコール飲料には利尿作用があるので体内の水分を失いやすいから注意したい。それだけのことに気をつければ、長い飛行時間を経て到着した場所で倒れる心配はなくなる。

 デスクワークが増えて、数時間にわたってじっと座って、身じろぎもしない状態でいる現代人。一時間に1度は背伸びをして、ゆっくりお茶を飲むようにして血栓症を予防しよう。動物である人間の体は「座して死ぬ」ようにできていないのである。
石井政之

<石井政之のプロフィール>
 医療、看護、バイオテクノロジーをテーマに取材をしているフリーライターです。硬いテーマを追いかけることが多いので、ジャーナリストといわれる機会が増えました。でも、なんでも書く猥雑さを忘れずに仕事をしていきたいと思っています。10年以上「顔」にこだわって取材をしています。その成果を『顔面漂流記』(かもがわ出版)を昨年出版しました。趣味はジョギング。目下の悩みは、忙しくて空手の稽古に行けないことでしょうか。

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