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脳内の分子スイッチで喫煙欲求が抑えられる
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脳内の神経ペプチド受容体を遮断することによって、たばこへの欲求を急速に低下できる可能性のあることが新しい研究で示され、米科学アカデミー発行の「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」オンライン版に11月24日掲載された。
米スクリプス研究所フロリダ(ジュピター)の研究グループによると、神経組織内にある短鎖のアミノ酸であるヒポクレチン-1(hypocretin-1、別名オレキシン A、orexin A)によって、ラットがニコチンを渇望する一連の生化学反応が発生するという。
研究主任のPaul Kenny氏は「ヒポクレチン-1受容体を遮断すると、ラットのニコチン使用を続ける意欲が減退しただけでなく、脳の報酬回路に対するニコチンの刺激作用が無効になった」と述べ、この受容体を効果的に遮断する方法を突き止めることができれば、新しい禁煙治療につながる可能性があるとしている。今回の研究では、低用量の選択的拮抗薬SB-334867(市販されている化合物で、研究によく用いられる)を使用してヒポクレチン-1受容体を遮断した。
前頭葉のごく小さな領域に損傷を受けた人が自発的にたばこをやめる事例がみられるが、今回の知見でその理由が説明できると考えられる。研究グループによると、ヒポクレチン-1受容体は脳の前頭葉にあるクルミ大の島(insula)と呼ばれる部位に存在するという。同研究所による過去の研究では、ヒポクレチン-1受容体がコカイン依存症の再発を制御する上でも中心的な役割を果たしていることが判明している。
喫煙は米国で年間44万人の死亡原因となっており、それによる医療コストは年間1,600億ドル(約15兆円)に上る。禁煙を試みる人のうち、1年後まで禁煙を維持できる人は約10%にとどまるという。
(HealthDay News 11月24日)
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