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正常細胞が癌(がん)の悪性度を決める
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腫瘍が出現するはるか前から存在する正常細胞の性質により、癌(がん)の悪性度が決定される可能性が新しい研究で示され、米科学誌「Science(サイエンス)」オンライン版に8月28日掲載された。このような細胞は早い段階で身体の離れた場所へ移動し、癌遺伝子が活性化されるまで何食わぬ顔でそこに留まっているのだという。この知見は、悪性細胞だけを標的とする治療は効果的ではないことを意味する。
従来の医学的見識では、癌の転移は比較的後期の段階で起こるものであり、原発腫瘍の細胞が十分な変異を経て、さまざまな癌遺伝子のスイッチがオンになって初めて生じるものと考えられてきた。
今回の研究では、米メモリアル・スローン・ケタリング癌センター(ニューヨーク)のKatrina Podsypanina博士らが、マウスを用いて一連の実験を行った。まず、オン・オフの切り替えが可能な癌遺伝子をもった正常な乳腺細胞をマウスに注入したところ、この細胞は血液を通して肺に移動し、4カ月間肺にとどまった。癌遺伝子が活性化するまでは急激な増殖はみられなかったが、原発腫瘍としての最初の段階を通過することなく増殖した。
次に、癌遺伝子をもたず自然に変異することがこれまでのどの論文でも示されていない正常細胞を注入したところ、肺にわずかなコロニー(集落)が認められただけであった。観察のどの時点でも転移性コロニーに似た確かな像はみられなかったが、観察のたびにコロニーは大きくなっていったようだという。この異所性細胞を新しい世代のマウスに再度注入すると、正常な乳腺細胞に発達した。
この知見は、転移カスケード(編集注=1つの反応が生じるとそれに派生して連鎖的に反応が継続していく現象を、階段状の滝を水が流れ落ちる様子にたとえたもの)の第一段階が正常細胞によって起こるのかどうかを示す重要なステップであるとPodsypanina氏は述べている。
(HealthDay News 8月28日)
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