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ヒト心臓ホルモンがマウスの癌(がん)を撃退
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心臓で産生され血圧および血液量を調節するホルモンが、さまざまな癌(がん)の治療に利用できる可能性が示された。ヒトの膵癌または乳癌を発症するよう遺伝子操作したマウスに、ヒト心臓ペプチドホルモンを投与すると、乳癌マウスの54%、膵癌マウスの37%が治癒し、治癒に至らなかったマウスでも顕著な腫瘍の退縮が認められたという。この知見は、サンディエゴで開催されるExperimental Biology年次集会(EB2008)で4月9日に発表される予定。
米サウスフロリダ大学心臓ホルモンセンター(フロリダ州)のDavid L. Vesely博士らは、まず同一の遺伝子に由来する4種類の心臓ホルモンについて培養細胞を用いて研究を実施し、ホルモンにさらされた癌細胞の97%を24時間以内に除去できることを突き止めた。次に研究グループは、米国退役軍人局の援助により、マウスを用いた研究を実施。まず、「最もたちの悪い」膵癌について検討した。
膵癌マウスの一部に生理食塩水を投与し、残りのマウスにはLANP、VDL、KP、ANPという4種類の心臓ホルモンのうちいずれか1種類を、1カ月の投薬計画に従って投与した。その結果、ANPに最も優れた抗癌作用が認められ、5匹中4匹のマウスで腫瘍が消失。完全に治癒しなかったマウスの中では、VDLに最も優れた癌縮小効果がみられ、最大サイズのわずか2%にまで縮小した。1年後、治癒したマウスにはいずれも癌の再発がみられなかった。マウスの寿命が約1年であることから、これらは最終的に癌ではなく老化により死亡したと判断された。
Vesely氏は5年前に妻を乳癌で亡くし、その後、乳癌に着目。同様のマウスの実験により、VDLおよびKPを投与すると、いずれも67%の比率で腫瘍が消失したという。ヒトを対象とする試験は12〜18カ月以内に開始される予定で、この試験が成功すれば3年以内にホルモン治療が利用できるようになる可能性もあるとVesely氏は予想している。
しかし、米国癌協会(ACS)のLen Lichtenfeld氏は「試験管や動物の実験では有望であるように思えても、治療効果が全く認められなかった例は数多くある」と指摘。特に今回の研究は、すでにヒトの体内を流れている通常のホルモンが対象で、もし、これらのホルモンにそれほどの効果があるなら、そもそもなぜヒトは癌になるのかという単純な疑問が浮上してくる。「可能性がないとは言い切れないが、この理論が有望であると言えるまでには、さらに研究を繰り返す必要がある」と同氏は述べている。
(HealthDay News 2月28日)
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