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膣を通しての胆嚢(のう)摘出術に賛否両論
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膣を通して胆嚢(のう)を摘出する新しい技術を用いたフランスでの手術施行例が、医学誌「Archives
of Surgery」9月号で報告された。今年(2007年)3月には米コロンビア大学(ニューヨーク)、さらに9月に米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD、サンディエゴ)の医師らが同様の手術を実施しており、虫垂切除にもこの技術が応用されている。
今回の報告では、仏ルイ・パスツール大学(ストラスブール)のJacques Marescaux博士らが、30歳女性の胆嚢を切除した。膣後部を小さく切開し、そこへ特別にデザインした器具を挿入して胆嚢を摘出。3時間の手術の間、出血や肝液の漏出はなかったという。術後の痛みや傷もなく、当日退院も可能であったが、初めての手術だったため2日間入院させた。10日後の診察では通常の状態に回復しており、出血、分泌物、不快感などはみられなかった。
研究グループは、この開口部からの経管的内視鏡術(natural orifice transluminal
endoscopic surgery)によって治療が向上する可能性に期待感が高まると述べており、切開の必要がなく体表部の外傷も避けることの出来る外科手術は、患者にとっても医師にとっても魅力的なものだとしている。
しかし、この新技術に魅力を感じている医師ばかりではない。米ニューヨーク大学医学部助教授のChristine
Ren博士は「女性として、手術のために膣を交通トンネルとして利用することには不快感を覚える」と述べている。内臓の損傷を避けることは外科手術の基本原則の一つだが、この手技では意図的に膣壁を傷つけており、重篤な合併症を来す可能性があるという。
また、腹腔鏡を用いた標準的な胆嚢摘出法でも、開腹による摘出術に比べれば安全であり、膣を通す手術による利点(傷が残らない、痛みが少ないなど)も無視できる程度のものだとRen氏は指摘する。さらに、膣を通した手術は腹腔鏡下術よりも3〜4倍時間を要するため、麻酔によるリスクも大きくなるとしている。
米エール大学(コネティカット州)医学部助教授のKurt E. Roberts博士は「この手術法の実施件数が少ないため、合併症の可能性については明確にされていない」と述べるともに、「今後は実施件数が増えると思われるが、医師が十分に訓練しないまま実施しようとすることが懸念される。技術を習得するまでには手術を何度もこなす必要があり、この手技が一般的なものになるまでは、専門施設に限定して訓練された医師のみが実施するようにするべきである」と指摘している。
(HealthDay News 9月17日)
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