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予定よりも早期に終了する臨床試験に問題点
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医学研究の世界では、薬剤の有益生を患者に提供するという名目で、主要医学誌に、臨床試験で薬剤の有効性が認められたために、早期に試験を中止すると発表することが一般的となっている。こうした見出しに表示される「貴重な新発見(breakthrough)」には、研究者チーム、薬剤、製薬会社、さらには試験成績を掲載したジャーナルの思惑が絡んでいるようだ。
米国医師会誌「JAMA」11月2日号に掲載されたカナダのマクマスター大学(オンタリオ)内科教授のGordon Guyatt博士らが行った研究で、同博士は「首尾よく経過していても、臨床試験を早期に切り上げれば、実質的に治療効果を過大評価するリスクが生じ、経過が思わしくなければなおさら、そのリスクが増大する」と指摘する。
Guyatt博士らは専門家による国際チームを組み、過去15年間に「影響力の大きい」医学誌に掲載された臨床試験計143件を見直したところ、無作為化対照試験はいずれも、患者に対する治療の有益性を理由に早期に終了していたことがわかった。一般の医師や患者は背景情報を十分に得ることなく、そのような試験結果を額面どおりに受け止め、治療法を変更することが多かったことになる。
しかしGuyatt博士らは、臨床試験はほぼすべて終了時期が早すぎて、実際に「有益性」があるかどうか判断する材料となる統計学的根拠を得ることができていないか、統計学的に結果を得たとしても一時的な「まぐれ(random high)」に過ぎないとの結論に至っている。さらに、主要医学誌に発表され早期に終了した臨床試験の割合が、過去15年間で2倍以上に増えている点を危惧し、「早期に中止する理由に関してさらに厳密な報告基準を設けるよう」警告している。
英ロンドン衛生熱帯医学校(London School of Hygiene and Tropical Medicine)医療統計学教授のStuart Pocock氏は、試験期間が長期にわたれば副作用の発生を評価する期間も長くなるが、「治療の長期にわたる利点の情報も得ることができる。(臨床試験を早期に終了すれば)短期間の追跡治療を評価することしかできない」と指摘。
Guyatt、Pocock両氏とも、長期にわたって検討し、臨床試験に関わる立場にある者が確実に監視すれば、単なる「まぐれ効果」であるか、長期にわたって患者に対して真に価値ある結果をもたらす効果であるかを見極めることができるとの見解を示している。
(HealthDay News 11月1日)
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