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摂食障害の心理的な治療法としては、行動療法や家族療法などが多く取り入れられています。その具体的な方法をご紹介しましょう。
適切な食行動に導く行動療法
行動療法とは、体重や食事の量などを患者さんと十分に話し合い、目標を決めて取り組んでいく方法です。目標は達成可能な低めなものを設定し、目標が達成できたら少しずつ外出や退院を許可するなど、ごほうびを与えることで適切な食行動に導いていきます。
過食症の場合なら、過食の波が襲ってきても1時間以内で終わらせるとか、1回の食事の買い物は1000円までとし、それでも足りなかったら一定の時間を空けてから食べるようにするなど、十分話し合いながら達成感が得られるようにしていきます。
摂食障害の患者さんは多くの場合、強いやせ願望を持っていたり、体の特定の部分が太っている、食べ物のことが頭から離れない、などの認知のゆがみがあったりします。また、物事をゼロか1かで判断してしまって中間がなかったり、ささいなことも重大に感じてしまうなどの思考パターンを持っていたりする場合もあります。患者さんがそのように思う理由は何か考えてもらい、自分の認知の仕方が人と違っていることに気づいてもらえるように、少しずつ思考のパターンを修正していきます。
拒食や過食のときの状況や、そのときのうつや不安の状態を、今まで体験した最悪のうつの何パーセントにあたるかという形でとらえ、症状がどの程度のものか認識して、対処法を考えるという方法もあります。
また、摂食障害の患者さんは、しばしばうつ状態になるため、抗うつ剤、抗不安剤などの薬物療法を併用することもあります。
家族関係からアプローチする家族療法
家庭の中での対話や感情表現、行動などに注目することで、治療に役立てるのが家族療法です。家族のそれぞれに対して行う個人面接や家族と本人が一緒に行う家族面接を組み合わせて、問題を探っていきます。
摂食障害の場合、家族のメンバーの役割分担が混乱している、過干渉であるなどの問題が指摘されており、それをカウンセリングなどによって正常化していきます。
家族療法と同じように、家族間の相互関係を正常化することによって、症状の改善を図ろうとする治療法に再養育療法があります。これは乳幼児期の母性の欠如が摂食障害の原因と考え、乳幼児期から子育てをやり直すようにするものです。母親が患者さんと手をつないだり、抱き合って寝たり、外出時には体の一部にふれさせたりするなどして、子育てをやり直していきます。母親は子どもに向き合ってその心を読みとる練習をし、父親は母親を精神的にも肉体的にも支えていくことが必要となります。
一方、家族心理教育が主流になりつつあります。上記のような方法ではなく、家族セッションの中で具体的な生活上の問題を考え、その解決策を探っていく方法です。その場合、病気を具体的に知ってもらうことと、家族、特に母親を心理的に支えることが大切です。
次回は「周囲はどうサポートすればいい?」です。
2003年9月22日
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