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摂食障害の治療には、身体的な治療と心理的な治療の両輪が必要となります。そこで、この2つについて、2回にわたってご紹介します。まず1回目は身体的治療についてです。
体重35kg以下では入院治療を
摂食障害には心の問題が大きく影響を与えています。しかし、体に現れたさまざまな症状はときに重大な問題となるため、栄養補給や食事療法などの身体的な治療は重要な柱となります。心理的な治療については、身体的な症状がある程度回復を見ないと行えないものです。そこで、まずは身体的な症状をチェックし、治療を行っていくことになります。
体重減少が著しい場合には、肝機能障害や電解質異常などのほか、低血糖発作といった命にかかわる異常がないか診断を受ける必要があります。身長にもよりますが、体重が35kg以下になったら入院を考えたほうがいいでしょう。
一方、過食症の場合は入院が必要となる場合はさほど多くないのですが、食べた物を上手にすべて吐き出してしまうような場合には、食道炎や不整脈などを合併することもあるので、入院が必要になります。また、重いうつ病などの精神的な合併症がある場合や、家での生活では生活リズムの乱れが改善されない場合も、入院がすすめられます。
点滴による栄養補給
栄養状態が著しく悪い場合は、入院して点滴で栄養を補給する必要が出てきます。ただし、強制的な処置は好ましくありません。点滴が必要なことを十分説明することが前提です。本人が点滴を嫌う場合は、1週間は点滴をしないで様子を見て、その間に食べられるようになったら点滴をしないなどの約束も必要となります。点滴は体重が40kg前後に戻り、点滴をやめて外泊して家に戻っても体重が減らなくなるまで続けます。
まったく食事を受け付けず、点滴をしても体重の減少が止まらないため命の危険がある場合には、中心静脈栄養といって、鎖骨の下の大きな静脈に針を刺して高カロリーの輸液を入れることもあります。
食事療法ではしっかりお米を食べる
拒食症の場合には、無理のないように一般の人より少ない1200kcalぐらいの少量の食事から出していきます。一般に拒食症の患者さんは甘いお菓子が最初に食べたくなるものですが、甘いお菓子を食べ始めると食欲に歯止めがきかなくなるため、過食症に転じてしまう場合も少なくありません。おもゆやおかゆから始めて、お米をしっかり食べるように指導していきます。
お米は太るイメージが強いため、拒食症の患者さんは食べるのを嫌がります。しかし、しっかりお米を食べないと過食になり、治療が難しくなることを説明し、理解を促します。お米などの炭水化物が食べられるようになると、続いてたんぱく質、脂肪もこだわらずに食べられるようになっていきます。
過食症の患者さんには、嘔吐や下剤をやめない限り、過食をやめることはできないことをしっかり説明します。また、過食によって体重が増えることが恐くて、絶食状態になることもあります。夜中に過食をして、翌日は昼も夜も食事を抜くといったパターンを繰り返しがちです。大切なのは、過食をしても「過食・嘔吐・絶食」のサイクルに陥らないよう、普通の食生活に早い段階で戻ること。勇気はいりますが、夜中に過食をしても、朝食はしっかり食べるというのが、サイクルから抜け出す早道になります。
次回は「摂食障害の治療法 〜その2〜」です。
2003年9月16日
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