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摂食障害になるのは、どのような原因が考えられるのでしょうか。また、さまざまに絡まり合う原因をどのようにとらえていけばいいのでしょうか。原因とそのとらえ方について、考えていきましょう。
原因は複雑な要素のからみ合い
摂食障害の原因は、さまざまな要素が複雑に絡まり合って起こります。家族関係や過食や拒食によるメリット、ダイエット志向の高さなど、さまざまな要素が考えられ、専門家によっても見解が分かれます。
家族関係の中では、特に母子関係が原因の重要な要素だという考え方もあります。乳幼児期に母親の愛情に満たされなかったために、自我が未発達な状態のまま思春期を迎え、さまざまなストレスやダイエットを賛美する風潮の中、発症するというものです。
しかし、母子関係に原因を限定するのではなく、家族の機能の低下がその原因になっていると、広く家族の問題と考える専門家もいます。親の別居や離婚、両親間の不和の体験から、ストレスに対処するために過食に走るという説もあります。
その一方で、母子関係や家族関係が原因だとする根拠はない、という批判もあります。 また、過食や拒食はストレスや不安、恐怖から救ってくれる行為であり、拒食は体重増加を防いでくれ、本人にとってメリットのある行為なので習慣化しやすい、という考え方もあります。また、やせているのに「自分はまだ太っている」などの認知のゆがみが、その原因になっているという考え方もあります。
このほか、「太っていることはよくないこと」「やせていることが美しさの象徴」という、社会的なプレッシャーも背景となっています。太平洋に浮かぶフィジー島では伝統的にがっちりとした筋肉質の体が好ましいとされていました。ところが、1995年にテレビ放送が始まり、欧米のテレビドラマが放映されるようになってから、ティーンエジャーの中でダイエットへの関心が高まり、摂食障害が急速に増えているということです。
原因を整理して考えることが大切
家族関係に原因が求められることも多いため、家族も「自分の育て方が悪かったのではないか」などと過去の原因にとらわれがちになります。しかし、実際の治療の場面では、特定の原因が明らかになったことで問題が解決するということは、期待されるほど多くはありません。それは原因が複雑に絡まり合っているからです。
原因を考える場合には、次の4つに整理していくとその実態が見えやすくなります。
準備因子
- 引き金
- 症状の改善をはばむ因子
- 再発を誘発する因子
発症して間もない場合には、家族の中のストレスなどの準備因子、失恋や受験の失敗などの発症の引き金について考えることが大事です。しかし、症状が続いている場合は、症状の改善をはばむものは何か、再発を誘発しているのは何か、を考える方が役に立ちます。
先ほどふれたように、摂食障害が本人や家族にとって何らかのメリットになっている場合には、それが症状の改善をはばんでしまいます。摂食障害によって家族から優しくされるなど、病気が自分の役に立っていることに気づくことが治療の第一歩になることもあります。また、焦って社会復帰をして、厳しい仕事を選んでは過食を再発したり、異性とのトラブルが原因で再発を繰り返すケースもあります。再発を防ぐための対策を立てていくためには、そうした原因への気づきが必要となります。
次回は「摂食障害の治療法 〜その1〜」です。
2003年9月8日
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