|
軽症うつは、気力や頑張りで解決する病気ではありません。脳の中の神経伝達物質の放出が不十分だったり、働きがうまくいかなったりすることによって起こる脳の機能障害です。そこで、病院の選び方や治療方法について紹介していきます。
軽症うつが長く続くようなら病院へ
第1回目の記事を読んで軽症うつが疑われ、それが長く続く場合には、専門医への受診をおすすめします。敷居が高いかもしれませんが、精神科を受診するのがベスト。もし、体がだるい、食欲がないなどの体の症状も伴っている場合には、軽症うつの治療も受けられる心療内科もよいでしょう。
最近では駅の近くにあり、気軽にかかれるメンタルクリニックも増えてきました。総合病院の精神科などと違って、診療時間が夕方までなので会社帰りにも受診でき、仕事を続けながら治療を受ける場合にも便利です。
各都道府県や政令指定都市に設置されている精神保健福祉センターでも、相談に応じてもらえますし、適切な医療機関の紹介も受けられます。
休養と薬物療法を
軽症うつの治療の初期には、休息と薬物治療が大きな柱になります。そして、症状が落ち着いてきたら、何事につけマイナスに考える傾向を改善する「認知療法」、人間関係での自分の役割を見直す「対人関係療法」なども行われます。
軽症うつの治療で一番必要なのは、しっかり休養を取ることです。軽症うつは心のエネルギーを使い果たしてしまった状態。この病気になりやすいのはまじめで頑張り屋の人が多く、休養をすすめられてもなかなか休みをとりたがらない場合も。しかしこれでは逆効果です。まず病気なのだと自覚して、しっかりと休んでエネルギーを充電することです。
職場や学校にはしっかりと、病気のことを説明し、休みをとりましょう。もし、どうしても無理な場合は仕事の合間や家に帰ってからゆっくり休むことです。家事なども負担になる場合は極力ほかの人に代わってもらうようにしましょう。
軽症うつの薬物療法で中心になるのは抗うつ薬です。この病気は脳の中のセロトニンとノルアドレナリンという神経伝達物質の放出が不足して起こります。抗うつ薬はセロトニンやノルアドレナリンが再取り込みされるのを防ぎその働きを高めてくれます。その結果、脳の働きが活性化し、うつの症状が緩和されます。
現在使われている抗うつ薬には、三環系、四環系、SSRIの3種類があります。三環系抗うつ薬は効果の高い薬ですが、他の神経伝達物質にも作用してしまうので、口の渇き、動悸、便秘、立ちくらみ、目のかすみなどの副作用が出やすいのが欠点です。そこで最近、軽症うつの治療には作用は弱いものの、副作用の少ないSSRIが多く使われるようになりました。
薬の服用は、医師の指示を守る
薬物療法を受ける上でで大切なことは、勝手に薬をやめたり、量を調節したりしないことです。抗うつ薬を服用し出すと、先に副作用が出てしまうため、不安になって途中でやめてしまう場合が少なくありません。副作用については医師にきちんと相談し、もういいと言われるまでしっかり服用しましょう。症状が良くなってきても、再発を防ぐため6カ月〜1年は服用を続けることが肝要です。
次回は「再発を防ぐためには」です。
2003年5月19日
|