|
4月に職場や生活の環境が変わった方も、新しい職場や学校、転居先の地域にも慣れてきた頃ではないでしょうか。ところが、さわやかな季節なのに憂うつな気分が晴れない、元気が出てこない、そんな人も多いのでは? そこで、最近増えている軽症のうつ病について4回にわたって取り上げます。第1回目は、軽症うつと単なる落ち込みの違いについてです。
気分の落ち込みと軽症うつの違いは?
5月の連休が終わったあたりから、なんとなく無気力で憂うつな気分になったり、気分が不安定になったりする人が増えます。これがいわゆる五月病。新しい環境に適応でない焦りがストレスにつながり、不眠や疲労感に襲われたり、やる気が起きなかったり、さまざまな症状が出ます。その多くは一時的な落ち込みですが、なかには軽症のうつ病にかかっている場合も少なくありません。それでは、単なる落ち込みと軽症のうつ病はどう違うのでしょうか?
失恋したり、仕事がうまくいかなかったりしたときには、だれしも落ち込みます。しばらくは眠れなくなる、食事がのどを通らなくなる、などということもあるでしょう。でも、悩みが消えて睡眠が十分に取れるようになり、疲れがとれれば、憂うつな気分も徐々に薄らいでいくものです。
ところが、きっかけとなったストレスの種が消えても、だらだらと憂うつな気分や不眠症状などが続くことがあります。また、睡眠は十分にとっているのに、疲れや悩みが消えないことがあります。このような状態が2週間から1カ月以上続くようなら、軽症のうつを疑ってみる必要があります。
また、ストレスがたまると、気力や意欲がなくなりがちになります。その結果、外出がおっくうになったり、家事や子どもの世話をする気にもなれなくなったりします。また、仕事にも集中力を欠き、能率が落ちてくることもあります。
単なる落ち込み程度ならば、悩み以外のことには興味が持てるものですが、軽症うつの場合はもともと興味があったことにも興味が持てなくなります。たとえば、家事は放ったらかしだけれど、大好きなテレビには興味が持てるとか、仕事はいやでも休みの日のテニスには出かけられるというのなら、さほど心配はいりません。
もう一つ、軽症うつと普通の落ち込みとの大きな違いは、睡眠障害です。軽症うつの場合には、寝ている途中に目が覚めたり、朝早く目が覚めたりしてしまう場合が多いものです。しかしだからといって、すぐに起きあがって活動できるわけではありません。朝方から午前中にかけては調子が悪くてだらだら過ごし、夕方になると調子が良くなる、というリズムになります。
気になる症状があるときには、心療内科か精神神経科に相談してみるとよいでしょう。治療方法については、第3回目に紹介します。
次回は「女性に特有のうつって?」です。
2003年5月6日
|