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糖尿病の真の怖さは合併症にある!

血糖のコントロールをしなければ
合併症の危険性が大

合併症イメージ あなたの周囲を見回してみると、糖尿病、あるいは高血糖気味という人が一人や二人いるのではないでしょうか。それぐらい糖尿病は身近な病気となっています。半面 、あまりにポピュラーな病気のためか、軽くとらえ、治療をきちんと受けない人が少なくありません。現在、推定700万人の糖尿病患者がいるといわれていますが、実際治療を受けているのは200万人、約3分の1しかいないという報告もあるほどです。

 確かに、糖尿病自体はそれほど怖い病気ではありません。ただし、これには条件があります。”きちんと治療を受け、しっかり血糖をコントロールしている限りにおいて”という条件です。これを実行していれば、たいていの人は健康な人と変わらない生活を送ることができます。ところが、血糖のコントロールができず、高血糖の状態が長く続くと、ほぼ100%といってよいほど、全身にさまざまな合併症が出てきます。

 ですから、すでに糖尿病と診断された人はもちろんのこと、高血糖気味、つまり糖尿病予備軍の人も血糖のコントロールに努めることが大切です。


糖尿病の4大合併症とは

 では、糖尿病の合併症にはどんなものがあるのでしょう。

 合併症のなかで、もっとも早く現れるのが「糖尿病性神経障害」で、高血糖状態が3 〜5 年続くと発症するとされています。手や足の先がジンジンする、手足の先がチクチク痛む、足がつる、同じ動作をしていると突然力が抜ける、夕方になると足が重たく感じるといった、知覚神経の障害による症状が出てきます。これらは左右同時に現れることが多く、夜間になるとひどくなるという特徴があります。また、痛みに対して鈍感になり、靴ずれになったり、やけどを負っても気がつかず、細菌感染を起こすことがあります。さらに、自律神経が障害されると、異常に汗が出る、下痢と便秘を繰り返す、めまいがするなどの症状が現れます。

 高血糖が続くと、神経が侵されるとともに、血管も障害されます。眼球の奥にある網膜には細かい血管がたくさん集まっていて、その血管が侵されやすくなります。これが「糖尿病網膜症」で、成人の失明の原因の第1 位になっています。網膜の血管が障害されると、網膜の血管がふくらんだり、細くなったりします。この状態では、これといった自覚症状はありません。しかし、これがさらに進むと、目の中に大出血を生じたり、出血した後の組織が引っ張られ(網膜剥離)、視力がかなり低下します。糖尿病の人のなかには、この状態になって初めて網膜症にかかっていたことに気づく人もいます。糖尿病網膜症は糖尿病になって7 〜10 年後に現れる人が多いようです。

 高血糖による血管の障害でもう一つ忘れてならないのが「糖尿病性腎症」です。腎臓に糸球体という毛細血管の塊があります。糸球体は血液の中から体内の老廃物や水を濾し出す働きをしますが、高血糖の状態が続くと、糸球体の毛細血管が硬くなり、濾過機能がうまく働かなくなります。これが進むと腎不全になります。高血糖状態が10〜13年続くと、腎症の始まりであるたんぱく尿が出るようになります。また、糖尿病性腎症による尿毒症のために、新たに血液透析をしなければならなくなる患者さんの数は毎年1万人を超えています。

 さ らに、糖尿病で高血糖状態が続くと、血液中の脂質の代謝が悪くなり、また血管の壁が傷つけられるため、「動脈硬化」が起こりやすくなります。動脈硬化が引き金になって、心筋梗塞や脳卒中を招くという二次合併症の危険性が高まります。


自覚症状が出てからでは遅すぎる!
早くから合併症対策をに

 合併症で問題なのは、神経障害を除いて、初期には自覚症状が出ないという点です。

  そのため、進行が進んで初めて合併症の治療に取り組む例が多いのです。また、初期から症状の出やすい神経障害にしても、日常生活に大きな障害になるほどではないため、「疲れているから」「気のせい」と思い込み、治療が遅れることが少なくありません。

 したがって、糖尿病の人は眼底検査やアルブミン検査(尿に排出される微量 たんぱく質の一種で、糖尿病腎症になると量が増加する)を定期的に受け、合併症が起こっていないか、たえずチェックする必要があります。これは、血糖コントロールをきちんとしている人も例外ではありません。なぜならば、血糖コントロールがうまくいっていても、合併症の危険性がゼロではないからです。

 いずれにせよ、糖尿病にかかってしまったけれどこれ以上病状を悪化させたくない人、あるいは今は糖尿病ではないけれど将来糖尿病にかかる可能性の高い人は、食事に注意したり、適度な運動をぜひ心がけましょう。

※この原稿は医師が監修しています。


2000年10月10日

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