|
レントゲン検査やCTなどの
検査で進行度がわかる
問診では、痛む部位や痛み方などについて確認されます。また、視診によって関節の腫れの有無や痛みの具合などをチェックします。
変形性股関節症では、レントゲン線検査も欠かせません。両足をまっすぐ伸ばした状態で正面から撮影するほか、必要に応じて、両足を最大に開いた状態や両足を思いきり交叉した状態でも撮影します。大腿骨頭の変形、関節軟骨の変形や消失、骨同士のすき間(関節裂隙)のせばまりなどが認められると、変形性股関節症と診断されます。
変形性股関節症は、症状の程度によって、前期、初期、進行期、末期の4段階に分けられます。
- 前期:股関節の痛みはあるものの、関節軟骨がまだすり減っていない状態。
- 初期:関節軟骨がすり減り始めて、関節裂隙が少し狭くなった状態。
- 進行期:関節軟骨のすり減りが進み、関節裂隙がさらに狭くなっている状態。骨と骨がぶつかっているところが見受けられることもあります。
- 末期:関節軟骨はすり減ってなくなった状態。
レントゲン検査のほかに、CT (コンピュータ断層撮影)検査やMRI(磁気共鳴映像法)検査などの画像診断が行われることもあります。
治療の中心は保存療法
治療の基本は理学療法、投薬や注射による薬物療法といった保存療法です。保存療法を行っても症状が改善しない場合は、手術が検討されます。
保存療法でもっともよく行われるのが理学療法です。これにもいくつか治療法があります。温熱療法は、痛む部位に赤外線やホットパック、超音波などをあてます。こうすることで、股関節やその周辺の組織のこわばりが緩和されたり、血行がよくなったりするので痛みがやわらぎます。
筋力トレーニングも股関節の変形を抑えたり、痛みや跛行を改善したりする効果を期待できます。トレーニングでは特にお尻の筋肉(中殿筋、大殿筋など)の強化を図ります。まず、悪いほうの足を上にして真横に寝て、その足を、膝を伸ばした状態で上げます。このとき、足を真上からやや後ろへ持ち上げると、中殿筋と大殿筋を同時に鍛えることができます。5秒程度、足を上げた状態を保持したのち、ゆっくりとおろします。次に仰向けになり、悪いほうの足を先ほどと同じようにまっすぐに上げ、5秒間静止します。筋力トレーニングは原則として毎日行います。
痛みがひどくて歩くことがつらいときは杖を使うとよいでしょう。変形性股関節症が進むと足の長さが異なってくることがあります。そういうときには、補高靴を使用します。
薬物療法の目的は痛みを鎮めること
痛みがひどいときには抗炎症・鎮痛効果のある非ステロイド系の内服薬や外用薬、坐薬が処方されます。外用薬には、軟膏やクリーム、ローション、湿布剤などがあります。
薬はあくまでも一時的に痛みをとるためのもので、長く常用するのは控えましょう。
薬を利用してもひどい痛みが続くようなときは、手術を行う必要が出てくるかもしれません。
次回は「変形性股関節症の手術」です。
|