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凹凸から成る股関節
骨と骨がつながっている部分を関節と呼びます。関節には、頭の関節のように動かないもの、背骨や肋骨のように少し動くもの、そして、よく動く関節があります。このよく動く関節の代表が股関節です。
股関節のつくりをみてみると、大腿骨の上端の球形をした骨頭が、寛骨臼(かんこつきゅう)あるいは臼蓋(きゅうがい)とよばれる骨盤のまるいくぼみの中にすっぽり収まる形になっています。つまり、大腿骨骨頭が凸形、寛骨臼が凹形となることで、はずれにくくなっているというわけです。
骨と骨がすり合う関節の表面は、弾力のある関節軟骨になっています。関節は関節包(かんせつほう)で包まれ、その内面に滑膜(かつまく)という膜があり、この滑膜から滑液(関節液)という滑らかな液が分泌され、潤滑油の役目を果たしています。さらに、関節がはずれないように靱帯でおさえられています。
変形性股関節症の原因は形態異常が多い
本来、大腿骨の骨頭は臼蓋にはまっているのですが、何らかの原因で大腿骨頭が変形した寛骨臼からずれたり、はみ出したりすることがあります。そうなると、骨と骨とがぶつかって摩擦が生じ、関節軟骨が傷ついたり、すり減ったりします。こうした関節の変形を変形性関節症と呼び、股関節で起きた場合を「変形性股関節症」といいます。
変形性股関節は原因によって一次性と二次性に分かれます。
一次性は、原因がはっきりわからないもので、欧米人には多くみられますが、日本人ではまれです。
逆に、日本人に多いのが先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全といった形態異常が原因でおこる二次性です。
先天性股関節脱臼は臼蓋の発育不全でくぼみがきちんとできないために、臼蓋形成不全は臼蓋のくぼみが浅いことが原因で、それぞれ大腿骨頭が臼蓋からずれている病気をいいます。理由は不明ですが、いずれも女子に多く発症しています。ただし、最近では先天性股関節脱臼は非常に少なくなっています。
徐々にひどくなる関節の痛み
変形性股関節の症状は何といっても関節の痛みです。
初期の頃は長い時間歩いたり、運動したりした後に、太ももの内側や膝、お尻のあたりに鈍痛を感じます。この痛みは、しばらく休むと消えてしまいます。
症状が少し進行すると、立ち上がったり、動き始めたりすると、股関節に引っ張るような痛みを覚えるようになります。しばらく関節を動かしていると、こうした症状は治まってきます。ところが次第に、動き始めだけでなく、動いている間じゅうずっと痛んだり、痛みが増してきたりします。症状がさらに進むと、じっとしても痛むようになります。
痛み以外に現れる症状としては、足をひきずって歩く跛行があります。その多くは、痛みや筋力の低下によるものです。
痛みが強くなってくると、股関節を通常のように動かせなくなり、靴下がはきにくい、足の爪を切りにくい、あぐらをかけないなど日常生活に支障が出てきます。
また、痛みをカバーするために腰や膝に余計な負担をかけて、腰や膝にも痛みが現れることもあります。
次回は「変形性股関節症の検査と治療」です。
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