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入院が必要な血管を抜き抜く
ストリッピング手術
最も再発が少なく、また根治性の高い治療がストリッピング手術です。従来から広く行われている古典的手術で、静脈瘤を根こそぎ引き抜く抜本的な治療法です。
通常、腰椎麻酔または全身麻酔をかけて、ストリッパーと呼ばれる静脈抜去用ワイヤーを静脈に挿入します。その先端に弾丸型ヘッドをつけて、強い力をかけて一挙に引き抜くため、静脈はアコーディオンの蛇腹のような塊になり、皮下に大きな穴ができ組織を傷めるというデメリットがあります。また、足全体に数カ所、大きいもので7センチほどの切開を加えるなければならず、手術は長時間になります。入院期間も1週間以上を要し、日常生活の復帰も遅れます。大きな手術痕が多数残るのも欠点です。
日帰りでできる静脈を裏返しながら引き抜く
内翻式ストリッピング手術
従来のストリッピング法を改良し、静脈を裏返しながら引き抜く方法が内翻式ストリッピング手術です。軽い力でスムーズで引き抜くことができ、できる穴も小さいため組織の損傷が少なくてすみ、また出血や痛みが従来式より軽減されるという利点があります。
この術式はすでに報告はされていますが、引き抜くときに静脈が切断しやすく、皮下に残った静脈を取り除くのが難しいなどの欠点があり、あまり普及していませんでした。この欠点を解消するために、広島逓信病院の清水康廣外科部長が考案した内翻用ストリッパーでは、従来式ではワイヤーの端に静脈の断端を固定していたのをワイヤーの真ん中に固定することにより、引き抜く途中で静脈が切断しても、逆方向からの内翻法へ切り替えることができます。また、ワイヤーの一方の端に弾丸型ヘッドを装着できるようになっていて、万一、静脈が断裂して皮下に残っても、それを回収することのできるようになっています。
また、この手術法にはTLA(大量局所浸潤麻酔)という新しい麻酔法が導入されています。血管収縮剤を添加した10分の1に薄めた局所麻酔薬を静脈の周囲に大量に注入する方法で、これにより静脈を抵抗なく引き抜くことができ、その際の痛みや出血が軽減され、しかも鎮痛作用は翌日まで持続し痛みがありません。TLAを用いた内翻式ストリッピング手術法では、手術は30分程度で終わり、手術室から歩いて退室し、1〜2時間程度休息して帰宅できます。また、日常生活への復帰も翌日から可能です。弾力ストッキングは術後1カ月間着用する必要があります。
日帰りでできる静脈を抜かない最新の治療法
静脈を抜去しない最新の治療法で、広島逓信病院の清水康廣外科部長が独自に考案したものです。足のつけ根(鼠径部)に局所麻酔で小切開を加えて静脈の最上部を結び(結紮)、静脈を一部切除し、逆流を止めます。次に静脈内面を特殊なブラシでこすり(擦過)して内膜を軽く傷つけます。さらに、強力な硬化作用のある微細な泡状にした静脈硬化剤を注入することによって、強固な静脈の硬化を完成させることができます。その後、硬化した静脈は時間とともに退縮・繊維化し、消失するという経過をたどる画期的な方法です。ストリッピング法よりはるかに侵襲が少なく、根治性も高いものです。
治療時間は30分程度で、歩いて帰宅でき、日常生活への復帰は翌日から可能です。弾力ストッキングは術後1カ月間着用します。治療のために時間を取りにくい多忙な人には、生活のリズムを変えることなく治療を受けられる方法として喜ばれています。
次回は「予防・再発を防ぐためのポイント」です。
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