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ADHDは子どもの病気とは限らない
「ADHD」という名前をどこかで耳にしたり、目にしたことはありませんか。ADHDという名前は知らなくても、じっとしていられず、絶えず動き回っている「多動」、ある特定の作業を長くできず、集中が散りやすい「注意障害」、思いついた瞬間に行動してしまう「衝動性」の3つの症状を特徴とする精神的な病気と聞けば、「ああ、知っている」という人が多いのではないでしょうか。
ADHDを日本語では「多動性障害」あるいは「注意欠陥障害」、またはその両方を合わせて「注意欠陥/多動性障害」ともよびます。
子どもをもつお母さん方の中には、「あら、ADHDは子どもの病気ではないの?」と思われる方が多いかもしれません。確かに、これまでADHDは子どもの発達障害としてマスコミなどに取り上げられることが大半でした。実際、ADHDは子どもたちに多く発症し、アメリカでは小学生の3〜5%にみられるといわれています。しかし、昨今のさまざまな研究により、ADHDは子ども特有の病気ではなく、大人になっても続くという説が主流になっています。
うつ病や不安障害などと
間違えやすい大人のADHD
大人の場合、子どものケースに比べてADHDの診断がつきにくいという傾向があります。というのは、二次障害あるいは合併症としてうつ病、不安障害、摂食障害、強迫性障害などを呈することが多いためで、ときにはADHDではなく、うつ病や不安障害などの病名で診断されることも少なくありません。
子どものADHDに多い「多動」「注意障害」「衝動性」の3つの症状のうち、「多動」は大人になるにつれ、消えていくことが多いといわれています。逆にいえば、「注意障害」や「衝動性」は大人になっても残る症状といえます。ただ、夫や妻との関係、子どもの問題、仕事や人間関係のトラブル、経済的な問題など多くのストレスや悩みを抱えてしまうと、正常な人でも集中力が散漫になりがちであるため、こうしたことも大人のADHDの診断を困難にしています。
なお、注意障害に関しては、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、糖尿病などの身体的な病気の影響を受けて発症することもあります。
脳の神経伝達物質の分泌異常が原因か
ADHDの原因ははっきりとは解明されていませんが、脳の神経伝達物質の1つである「ドーパミン」、あるいはドーパミンから合成される神経伝達物質「ノルアドレナリン」など、神経伝達系の分泌または再取り込み機能の不全によるものではないかという説が有力です。
そのほか、脳損傷、早期出産、妊婦のお酒の飲み過ぎ、遺伝、さらには食品添加物や着色剤、保存剤などの食べ物、環境ホルモンといった環境的要因も影響するのではないかともいわれています。
いずれにせよ、原因は1つではなく、いくつかの要因が重なり合っていると考えられています。
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