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甲状腺の病気にはさまざまな誤解や迷信があります。それは人間の頭と体をつなぐ「首」という大切な部位に症状が現れるせいかもしれません。必要以上に怖がることのないよう、正しい知識を身につけることが肝心です。
治せる病気です
甲状腺の病気は、比較的治療に時間がかかるため不治の病と思われがちですが、決して治らない病気ではありません。病気の種類や症状の程度によって治療の方法や期間はさまざまですが、根気よくきちんと治療を続けていけば、健康な人と何ら変わらない生活を続けることができるのです。また甲状腺機能低下症の薬は、もともと体内にあるホルモン物質なので有害なものとはいえません。甲状腺の病気にかかったとしても、決して悲観することはないのです。
甲状腺の病気は目が出る?
多くの人が「バセドウ病」を思い浮かべがちなのが甲状腺の病気。そのせいか「甲状腺の病気」イコール「目が出る」という図式ができあがってしまったようです。しかし甲状腺の病気はバセドウ病だけではありません。またバセドウ病でも眼球突出が無いケースも多いということを知っておく必要があるでしょう(第2回参照)。
赤ちゃんができない? 産めない?
甲状腺の病気になっても妊娠・出産は十分に可能です。それどころかバセドウ病の場合、妊娠中期以降症状が軽くなることも多いのです。甲状腺の薬には胎盤を通過しやすいものと通過しにくいものがありますが、どちらも赤ちゃんに奇形が出ることは無いことがわかっています。むしろ甲状腺機能亢進症や機能低下症をきちんと治療しないまま妊娠すると、流産や早産・胎児奇形の率が高まりますので、必要な薬をしっかり飲むことが最も重要です。内服してホルモン値が安定するまで妊娠の時期をずらした方がよいといったことはありますが、ホルモン値がきちんとコントロールされてさえいれば、流産や早産・胎児奇形の頻度は一般の妊婦と全く変わりません。自信を持って妊娠・出産に臨みましょう。ただし産後に症状が不安定になることもありますので、妊娠中も医師の指導をしっかり守ることが大切です。
子どもに遺伝するの?
糖尿病や高血圧などと同様、甲状腺の病気は何らかの遺伝因子が関わっていると考えられていますが、その遺伝性は糖尿病や高血圧よりもずっと低いことがわかっています。まれに赤ちゃんが甲状腺機能亢進症を起こすことがありますが、これは甲状腺を刺激する抗体が胎盤を通過して母体から胎児に移行する為に起こるもので、遺伝とは違います。多くは1〜2カ月で治るものなので必要以上に心配することはありません。どうしても不安なら、出産前に新生児甲状腺機能亢進症の治療ができる病院をあらかじめ紹介してもらうとよいでしょう。
男性はかからない病気?
原因ははっきりわかっていませんが、甲状腺の病気は確かに女性に多いものです。バセドウ病は女性が男性の6〜7倍、慢性甲状腺炎は20〜30倍、甲状腺がんは2〜3倍といわれています。しかし男性で甲状腺の病気にかかる人がいるのも確かです。人間に甲状腺がある以上、男性でも病気になる可能性を否定することはできません。
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