|
いろいろな病気が含まれる外陰炎
外から見える生殖器を外性器といい、外側を覆っている左右のふくらみを大陰唇といいます。この大陰唇とその周辺に広く起こる炎症を外陰炎といいます。通常、膣炎と合併して現れます。
外陰部は皮膚と粘膜の境目なので、細菌やウイルスなどに感染しやすいところです。したがって、外陰炎といっても、原因によっていろいろな病気があります。
細菌が原因の代表的な外陰炎としてバルトリン腺(膣口の左右にある分泌腺)炎、ウイルス感染にはヘルペス感染や尖圭コンジローム、真菌感染にはカンジダ感染症があります。これらの感染性の病気以外に、生理用ナプキンやおりものシートなどが原因で炎症が起こる接触性皮膚炎、高齢者の人に多くみられる外陰萎縮症などもあります。
放置すると繰り返し発症する
ヘルペス感染症
ウイルスによる感染の代表的なものがヘルペス感染症です。セックスなどで感染したあと、数日から1週間ぐらいたってから外陰部に痛みを覚えますが、その前にかゆみを感じる場合が多いようです。その後、大陰唇から会陰部にかけて、米粒ぐらいの大きさの水疱が多くできます。下着ですれて水疱がつぶれると、歩けないほどの痛みがあります。また、排尿時に尿がしみると飛び上がるほどの激しい痛みを覚えます。そけい部のリンパ腺が腫れたり、熱が出たり、倦怠感に襲われることもあります。
ヘルペス感染症を治療しないで放置しておくと、症状はやがて自然に治まりますが、中には、繰り返し同じような病変が外陰部に現れることがあります。これは、ヘルペスウイルスが近くの神経にひそんでいて、体調が悪かったり、月経や妊娠時に再び活動するためだと考えられています。
治療には、抗ヘルペスウイルス薬が使われます。痛みがひどい場合は、鎮痛剤などで痛みを抑えます。時には入院が必要となる場合もあります。
イボが特徴の尖圭コンジローム
ヘルペス感染症と並んで、ウイルスが原因で外陰部などの性器に炎症が起こるものに尖圭コンジロームがあります。
尖圭コンジロームは独特なイボを発生させます。乳頭状あるいはにわとりのとさかのような形をしたイボが外陰部にたくさんできます。イボの大きさは針の頭ぐらいのものから親指の頭ぐらいまでいろいろです。イボが小さいうちは、ほとんど自覚症状はありませんが、大きくなると軽いかゆみやセックス時の痛み、出血などが生じることがあります。
このウイルスをやっつけるのに決め手となる薬はまだ見つかっていません。今のところ、イボ部分を切除したり、液体窒素で凍結させたり、ポドフィリンという薬液を塗布したり、あるいは電気メスやレーザーで焼くなどの方法が取られています。
なお、尖圭コンジロームの起因ウイルスであるヒトパピローマウイルスが子宮頸がんの発生に関与しているのではないかと指摘されています。
|