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出産は女性にしかできない仕事ですが、そもそも受胎は男と女のどちらが欠けても成り立ちません。夫婦に子供ができない原因を追求すると、妻ではなく夫にある可能性も、夫婦の組み合わせによる可能性もあります。また不妊治療を進めるうちに「自分たちはどのような人生を望むのか」という厳しい問いかけにぶつかることもあるでしょう。ふたりで模索するその答えの中には「子どもをつくらない」という選択肢もあるはずです。大切なのは、治療を始める前に、また始めてからも、夫婦で寄り添い、いたわり合って進むことなのです。
不妊の原因
「そろそろできても良い頃なのに?」という段階では、夫婦の両方か片方の生活習慣に不規則や不健康な傾向があったり、別の病気などが原因で体調不良であったりという問題も考えられます。あるいは、ただお互いに忙しくてなんとなくセックスレスのまま月日が過ぎてしまったという場合もあるでしょう。鳥だって卵を産む前に巣をつくります。赤ちゃんを迎えるにはまず生活環境や体調を整え、お互いに心の準備ができているのかどうかをあらためて確認してみてはいかがでしょうか。
「もう1年以上もマジメに子づくりに励んでいるのに成就しない」という場合には、事態はもっと深刻です。自然な妊娠では成熟した卵子が威勢の良い精子に卵管で出逢って受精し、子宮に着床するわけですから、その過程がどこかで阻害されている可能性が考えられます。例えば、どちらかの体に機能的な問題が潜んでいる場合や、受胎環境となる夫婦の組み合わせに問題がある場合などです。それから、周囲の人達からあまりにプレッシャーを受け、ストレスにより不妊が生じてしまうこともあるかもしれません。
治療を始める前に
「子供のできない嫁を離縁」という話が、日本でも30年前まではまかり通っていました。後日談として、そのお嫁さんはなぜか再婚先でたくさんの子宝に恵まれたという話もよく聞きました。現代では認められないストーリーではありますが、そのような偏った考え方が一掃されたわけではありません。まずは当人であるご夫婦自身が公正な立場から現状をよく知ることです。そのためには、専門家の書いた本などから不妊治療に関する正しい知識、情報を得ることが大切です。その上で「夫婦の間でどちらに原因があっても思いやりを忘れずに、悩みすぎないようにしよう」というふうに話し合いができればなお良いでしょう。
病院選びのコツ
大きな総合病院の産婦人科には不妊専門の外来日を設けてある場合もありますが、担当医が変わることがあり、時間的な制約もあるというのはプライベートな用件にはデメリットだといえるでしょう。また、あまりに有名な病院は混みすぎによる不便を覚悟しなくてはなりません。逆に駅前の小さなクリニックでも、立ち寄ってみると受付や看護婦さんが親切で、「不妊治療」や「男女産み分け」などのポスターやパンフレット、書籍が充実していることがあります。医学的な専門性に加えて、好感度や地の利も大切な条件です。口コミや電話帳、情報誌、インターネットなどを頼りに実際に何件か足を運んでみて、信頼できそうな施設や、熱心で感じの良い医師のいる診療所を選べれば良いですね。
【不妊治療病院のリスト付き書籍の例】
・「不妊症を治す最前線」
三宅医院院長 三宅馨著 二見書房 2000年発行
・「専門のお医者さんが語るQ&A」
東京歯科大学市川総合病院産婦人科部長・助教授 田辺清男著 保健同人社 1997年発行
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