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アーユルヴェーダで
心身コントロールを修得! 第2回
各体質の個性は?

アーユルヴェーダが目指すもの

アーユルヴェーダが目指すもの イメージ 前回はアーユルヴェーダの概要の説明と3つのドーシャ(ヴァータ・ピッタ・カパ)を説明して、体質のチェックをしました。おさらいをしますと、アーユルヴェーダと「なぜ病気になったのか?」を研究するインドの伝承医学です。このヴァータ(風)、ピッタ(火)、カパ(水)と3つのエネルギーが生命を支えるという考えは、「陰・陽」と「火・水・木・金・土」を世界の成り立ちと考える中国医学の陰陽五行説と同様のものです。さらに、アーユルヴェーダでは症状以前に、その根本原因となるライフスタイルに着目しています。
 特に五感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)について「自分が心地いい、快適だ」と感じられる感覚を大切にします。これは「内なる知恵」と呼ばれており、いわゆる自然治癒力の源となるものです。お医者さんまかせにすることなく、この「内なる知恵」を意識して普段から健康予防を心掛けること。これがアーユルヴェーダが最終的に目指すところなのです。

各体質の心身の特徴は?

 さて、前回では3つのドーシャ(ヴァータ・ピッタ・カパ)のそれぞれの体質について簡単に説明しましたが、今回はさらに詳しく解説します。基本的に体質というと、何か特定の病気にかかりやすいという意味合いですが、アーユルヴェーダではドーシャのアンバランスの起こりやすさを意味します。例えばヴァータ体質の人は(ヴァータの体質がくずれると)冷え症になりやすい、という具合です。また、この病気にかかりやすい体質を表わすと同時に、その人の持つ個性がわかるというのもアーユルヴェーダの特徴です。ではそれぞれの心身の特徴について述べてみましょう。
  • ヴァータ体質
    ヴァータ体質 イメージ  キーワードは「軽・冷・動」です。この体質の人の身体的特徴は、体格がたいていは華奢で痩せています。身長は低いか、または高くても細身、鼻はわし鼻で目は小さめです。皮膚や髪は乾燥気味で、歯並びは悪く、不揃いのことが多いようです。筋肉質ではないので、血管やじん帯が浮き出ています。
     ヴァータのバランスが良い時は、ヴァータの持つ良い面が出ます。機敏で活発、身体が軽く敏捷、傷口の治りも早くなります。物事の処理もスピーディで記憶力は抜群、物事の変化にもフレシキブルに対応できます。
     しかし、一転してヴァータのバランスが崩れると、身体の面では手足が乾燥して冷たくなったり、便秘がちでガスもたまりやすくなったりします。不眠で悩まされることもあるでしょう。さらに、緊張性頭痛や腰痛などの身体の痛みが起きてきたり、循環疾患や脳・血管疾患(狭心症・心筋梗塞・脳卒中など)、神経系疾患などに注意が必要です。心の面では何事にも不安が強くなり、怖がりで心配性になります。また気分が変動しやすく、空虚感をともなった抑うつ症状がでるという短所もでてきます。
     その他特徴的な点を挙げると、ヴァータの持つ最大の特徴である速性が優勢なため、頭の回転は早く、早口で、睡眠時間も少なくてすみます。物事を率先して行いますが、長続きはせず、住所や仕事も変わりやすい飽きっぽさを持っています。信念も変わりやすく、お金を浪費する傾向があるようです。

  • ピッタ体質
    ピッタ体質 イメージ  キーワードは「熱・鋭・強烈性」です。見た目はスタイルが良く、皮膚は温かで柔らかく、黄色味がかって輝いています。日焼けしやすく、小麦色の肌をしていることも多いようです。髪は細くて柔らかく、関節は柔軟で、手指は反り返るほど。目つきは知性にあふれ、輝いて鋭く、闘志や敵対心にあふれています。また、たいていは快食・快便です。心の面では情熱的で知的、勇敢でチャレンジ精神が旺盛で、集中力があり機転がきくタイプです。行動にもムダがなく、リーダーにも最適な人といえるでしょう。
     ピッタのバランスが崩れると、異常なほど汗をかき、皮膚には赤い湿疹やジンマシンがでてきます。すぐに胸焼けや目の充血を起こし、口臭や体臭、若ハゲや白髪が目立つようになります。病気は肝疾患や胃・十二指腸潰瘍、心疾患、アルコール依存症、皮膚病になりやすくなるのが特徴です。心の面では何かと批判的になり、短気で怒りっぽく、喧嘩っぱやくなりがち。しかも反省があまりありません。また、完璧主義に走り、敵を作りがちで、見栄っ張りという特徴もあります。

  • カパ体質
    カパ体質 イメージ キーワードは「安定・重さ・なめらかさ」です。カパは体格や構造を作るドーシャなので、体格が良く、耐久力や持久力があるのが特徴です。その他の見た目としては、目が大きく、まつげは長くて魅力的。髪は黒くつややかで、白髪がでることはあまりありません。歯並びは良く、皮膚は色白で冷たく、しっとりしてなめらかです。体臭も強くなく、どこでも眠ることができるタフさがあります。心の面では、慈愛が深く献身的で、穏やかで寛大さに満ちあふれたタイプ。情にもろく、波風をたてることを好まない温厚な性格でしんぼう強く着実に物事をやりとげる人と言えるでしょう。
     カパのバランスが崩れると、だるさや眠気が常時現れ、肥満しやすくなります。病気では、アレルギー性鼻炎や鼻水、鼻づまりに悩ませられることが多く、気管支炎や喘息などの気管支疾患にかかりやすくなる傾向があります。また、湿気に弱く、関節の異常も起こしやすいタイプです。心の面では、物事へのこだわりが強くなり、執念深くなります。と同時に思考が鈍くなって、大雑把になりがちです。また、愛欲に溺れたり、独善的、保守的になるなどの短所が現れてきます。その他の特徴としては、動作や話し方はゆっくりで落ち着いた印象を人に与えます。物覚えは早くありませんが、一度覚えたら忘れることはありません。何事も蓄積するタイプなのでお金をためるのも上手。眠るのが大好きなのでほおっておくといつまでも寝ている人でもあります。
 以上が3つのドーシャの基本体質(個性)です。上記のような単一タイプの人の他に2つ(まれに3つ)のドーシャが複合した複合体質があります。この場合、2つ(3つ)のドーシャの長所と短所を兼ね備えた体質(個性)になります。複合体質の人は上記の当てはまるドーシャの解説を読んだ上で、以下の解説も合わせて参照してください。
  • ヴァータ・ピッタ体質の人
     ヴァータとピッタの持ち味である想像力や行動力にあふれたタイプ。冷え性なのに熱い(暑い)ものには耐えられません。食欲は旺盛で大食傾向にありますが、胃腸が弱いため要注意。ストレスに対しては交互に不安と怒りがやってきます。「軽さ」と「動き」を兼ね備えているので、現代のようなめまぐるしい環境には適応できる人です。
  • ヴァータ・カパ体質の人
     ヴァータとカパの相反する両方の性質を持つため、性格的に分裂気味で、言動と行動が一致しなかったり、話が飛躍したりするタイプ。寒さに弱く、便秘や気管支炎にかかりやすい傾向があります。
  • ピッタ・カパ体質の人
     カパの丈夫さとピッタの代謝の活発さを合わせ持つタイプ。メンタル面は安定しているけど、太りやすいのが特徴。ピッタとカパの良い方面が合わさってどの方面でも成功する人が多いようです。ただし、自信過剰と自己満足に陥ることが多いため、敵が多くなります。暑さ寒さには強いタイプです。
  • ヴァータ・ピッタ・カパ体質の人
     この体質の人は非常にまれです。ヴァータの軽ろやかさと発想の豊さ、ピッタの柔軟性と知性の鋭さ、カパの持久力の強さと慈愛の深さをその時々で発揮できるバランスタイプ。しかし、どのドーシャの弱点も合わせ持っています。
 あなたの基本体質はおわかりになりましたか?
 次回はそれぞれの体質を持つ人のオススメしたいライフスタイル(生活習慣・食生活)について解説をいたします。

次回は「ライフスタイルについて」です。


2001年2月13日

※この原稿は医師が監修しています。
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