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精子や卵子が売買される時代
人間の精子と卵子が商品として販売される時代になっています。普通に生活していれば、想像できないことなのではないでしょうか。
体外受精の技術は、もともと不妊で悩む患者を救うために開発されたものです。愛する人との子どもが欲しい、という希望を実現させるための技術でした。ところが、いくら不妊治療をしても、子どもができない夫婦がいます。その夫婦の精子と卵子を検査したところ、卵子に妊娠する能力があまりないことがわかったとしましょう。その時点で自分たちの子どもをつくることを諦める人がほとんどかも知れません。けれども、諦めきれない人は、卵子を第三者から提供してもらい、それを夫の精子と受精させることで「夫の子」をつくろうと考えるのです。そのようなことを実現するために、第三者から卵子の提供がされるシステムが必要なのです。
卵子を金銭で売買するビジネスが「卵子バンク」です。同様に「精子バンク」も存在しています。アメリカではこれらのビジネスが成立し、経営者は莫大な利益を得ている、といわれています。
アメリカのプリンストン大学の学生新聞には次のような広告が掲載されていました。
「5万ドルで卵子求む」
卵子バンク企業が掲載したものでした。ただし、どんな卵子でもいいというわけではありません。IQ180以上、青い目、金髪か薄い茶色の髪と指定されているのです。この条件を満たせていれば、卵子を提供することで日本円にしておよそ500万円をもらえるのです。
精子バンクも負けてはいません。
マンハッタンにある「妊娠研究財団」では、科学者やオリンピック選手の精子を専門にしています。また「クリオ・バンク」では、スタンフォード大学、ハーバード大学などの一流大学の学生から精子を買って、販売しています。
精子・卵子バンクは、その提供者の、身体的特徴、病歴、趣味、学歴などが細かく記載されたカタログをつくって希望者に配布し、自分の好みの人の精子・卵子を選ぶことができるようにサービスを充実させています。
アメリカのある卵子バンクでは、卵子提供者に、約60万円から120万円の報酬が支払われるといいます。提供者の渡航費や滞在費は、そのバンクから支給されます。ということは、卵子を購入する人は、それ以上の金額を卵子バンクに支払うことになるのです。
卵子バンクビジネスは、日本人を意識したビジネスとして隣国の韓国でもはじまりました。アメリカの卵子・精子バンクには東洋人のものが少ないという点と、日本から韓国への渡航費の安さで、アメリカのバンクに対抗できると考えたからです。
不妊で悩む人は、体外受精技術だけでなく、生殖ビジネスにも翻弄されるのでしょうか。
2001年10月9日
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