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Special Edition
  知って得する精神保健福祉 第4回
  精神科の医療機関の特徴を知っておこう


信頼できる医師個人との出会いがポイント

 最近は精神の健康に関する記事がメディアで数多く報道されていますが、実際に自分が心の問題で悩んだ時に、誰に相談しどんな医療を選べばいいのかは、案外良く分からないものだと思います。その地域によっても精神医療の体制に違いがありますので、まずは自分の住む地域の医療機関や地域の情報を把握することが大切です。精神の病気は、病気に対する偏見が大きく、そのためにいい先生を知っていても、それが口コミ情報としては伝わりにくいのが現状です。とにかく有名な病院や大学病院に行くのが安心だろうと思う人も多いでしょう。しかし、精神医療はお医者さん個人の力量や、患者さんとお医者さんの個人的な信頼関係が大切な科です。高価な検査機器などもあまり必要でないので、施設の規模に目を奪われるのではなく、信頼できる医師個人と出会えるかどうかがまずポイントとなるでしょう。

 最近は、駅前などに精神科クリニックも増えてきています。クリニックの利点は、日常生活のペースを保ちながら精神医療サービスをうけられることです。体が不調であっても精神的なことが原因となっている場合も多いので、内科の家庭医のような感覚で精神科のクリニックとつきあうのもいいでしょう。
 内科の開業医などから、精神科クリニックや病院の精神科などを紹介してもらうのもいいでしょう。紹介状を持っていることで、双方の医師にある意味での責任が生じるため、患者さんにとっては、安心できる方法といえます。
 精神科のある総合病院は、精神科にかかっていることが特定されないというメリットがあります。精神的な病気のほかに身体疾患などが心配な場合は、総合病院なら安心です。しかし一般に非常に混んでおり、総合病院の中で精神科の入院施設があるのは全体の約二割程度、しかもベッド数は平均17床と小規模なものがほとんどです。
 私たちは、重い病気になると大学病院にかかるというイメージを持ちがちですが、精神科ではそれほど斬新な研究対象となるような新しい医療が日々開発されているわけではありません。医師からの紹介などがある場合には有効かもしれませんが、漠然と大学病院のブランドイメージだけを頼りにするのは、あまり意味がなさそうです。

 日本の精神病院の90%は民間病院です。精神科の病院というと偏見がまだ残っているかもしれませんが、開放的で良質な病院もあります。
 残念ながらいまだに閉鎖的な収容所型の精神病院もあります。それを見極めるには、外来がいかに活発におこなわれ、病院スタッフの感じがいいかどうかが基準となるでしょう。交通の便がいいこと、病院を取り囲む高い塀がなく、開かれた明るい感じがすることを判断材料の1つとしてもいいでしょう。電話の応対が感じのいいこともチェックポイントになるでしょう。
 このように医療機関の特徴をある程度把握した上で、どんな医療が必要なのかを考え、病院を選びたいものです。


2001年5月7日

月崎 時央(つきざきときお)
プロフィール
1959年生まれ フリーランスジャーナリスト
 1994年から精神保健福祉の取材を専門におこなう。著書に『正しい精神科のかかり方』(小学館)がある。現在、週刊メールマガジン「市民とマスコミと精神保健福祉をつなぐネットワーク情報誌」『LA LUNA 』を発行し、精神保健福祉関係の最新の情報、患者さんのエッセイなどを紹介している。
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