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Special Edition
  オーストラリア医療事情 最終回
  医療費の自己負担分


医師の判断により異なる
患者自己負担額

 オーストラリアの公的医療保険メディケアの場合、一般開業医・専門医での自己負担分は、政府規定料金の15%である。残りの85%を医療機関が政府に支払いを請求するが、医師会が定めている料金との間に20%程度の差があるため、治療の内容によっては政府規定料金を上回ることも少なくない。この場合、規定料金の15%との差額は自己負担となる。

 患者が学生あるいは老人のように、所得がなかったり低かったりする場合には、「バルクビリング」といって医師が15%の自己負担分を患者から徴収せず、残りの85%を政府に直接請求する方法を選ぶこともできる。したがって、医師の判断によって、患者の自己負担分が異なる場合もある。
 一般開業医・専門医で支払う自己負担分は、上限が決められており、一回の診療行為ごとに26.8ドル、1年間で246ドルを超えるとその超過分が還付される。日本で言う高額療養費支給制度であり、日本の63,600円からすると低い負担で済む。
 オーストラリアの病院は、70%が公的病院である。公的病院の場合、入院費・治療費は全額メディケアでカバーされる。しかし、主治医を選択することはできないし、病室は相部屋である。それに、患者が公的病院に殺到するため、外来患者の待ち時間も長く、また、ベッドの空き待ち時間も長い。したがって、お金に余裕のある患者は、私立病院に入院することになる。この場合、入院費はカバーされないが、治療費の75%と検査費の一部がカバーされる。公的病院でも、私費で入院することができるが、自己負担分は私立病院と同じである。入院の場合、自己負担の上限を定める制度はなく、公的病院に入院する以外は、患者にとって重い負担となる。このため、民間保険への加入を政府が奨励しているのである。

 以上見て来たように、オーストラリアの医療制度は、公的保険制度の基である中医療中負担というカテゴリーでは日本と同じであるが、各医療機関の機能区分の明確化や、公的保険と民間保険の連携体制は日本も学べき点が多い。しかし、患者ニーズへの対応からすると、日本の方がハイレベルにあると言うことも出来る。
 したがって、今後の医療制度のあり方は、日本の良き点を残し、自己負担分をどこまでとし、公の負担をどこまでとするか。そして、医療提供のレベルを社会保険診療はどこまでとし、それ以上の高度医療を求めるならば民間保険で賄う、という負担連携等の区分の明確化を行いながら、22世紀まで続く医療供給・保険体制を考えていかなければならない。


2001年4月2日

税理士・医業コンサルタント 川端忠範
プロフィール
 私は痛風と長いつき合いをしています。発病は貧乏学生の時で、インスタントラーメンと栄養の片寄りが原因です。 昨年、国体を目指して野球のシニアチームに参加。練習後のおいしいビールによって再発し、たいへんな思いをしました。職業は税理士・経営コンサルタント・短大講師などいろいろとやっている44才の働きざかりです。
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