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  スポーツ医学情報ファイル
  〜痛んだときのケア 腰編〜 第4回

  腰椎椎間板ヘルニア

 このコーナーでは、スポーツによる外傷や障害をいち早く的確に判断し、適切に対応するための情報を紹介しています。
 からだの部位ごとに、痛みの見極め方や早期の処置、治療の進め方などをわかりやすくアドバイスします。

スポーツ選手に多い

 スポーツ選手の腰痛として、いわゆる「腰痛症」に次いで発生頻度が多いのが「腰椎椎間板ヘルニア」です。なかでもウエイトリフティングや柔道の選手などにより多くみられます。発生する年代は20〜30歳代が多いのですが、若年性ヘルニアといって中学生にもみられます。症状として腰が曲がらない、尻から太ももの裏側、ふくらはぎまで響く痛みがあります。痛みが強い場合は坐骨神経性側彎(ざこつしんけいせいそくわん)もみられます。おじぎをする体勢で、痛みが強くなります。SLRテストの陽性、画像診断などで診断されます。

椎間板ヘルニアとは

 骨と軟骨が交互に積み重なっている脊柱の軟骨部分が「椎間板」です。「ヘルニア」とは椎間板内の髄核が変性を起こし、髄核を囲んでいる線維輪から飛び出してしまう状態をいいます。飛び出した椎間板が坐骨神経を圧迫するため、腰部と下肢に痛みとシビレの症状が出ます。症状が進行すると感覚が鈍くなったり、力が入らなくなったりします。腰椎4番、5番、仙骨の間の椎間板にもっとも多くこの状態がみられます。

治療は保存療法で約1カ月

 急性期はまず安静にします。症状が進行性の場合や、腰痛と下肢の痛みやシビレが強い場合は、ただちにスポーツを停止します。
 一般的には、(1)牽引(週3〜6日)、(2)飲み薬、(3)コルセットの装着を1カ月ほど続けると8割程度の人は痛みがなくなります。さらに痛みのひどい場合には、(4)カテラン硬膜外ブロックと呼ばれる療法で腰に直接ステロイドを投与(週1回×5回)することで、かなりの割合で痛みがよくなります。
 それでも痛みがとれないような場合や、長期にわたってスポーツ活動が制限されるような場合は、手術による治療をおこないます。飛び出した部分(髄核)を取りのぞくケースが一般的です。最近では飛び出した髄核が椎間板から剥がれ落ちると、体内で吸収されることがわかったため、手術をせず経過をみるケースも増えています。術後は1週間で歩行をはじめ、3〜4週間で退院、3〜4カ月でスポーツ活動に復帰します。

(注)SLR(STRAIGHT LEG RAISING)テスト
 仰向けに寝た状態で下肢を真っ直ぐにしておいて、その状態から下肢全体を上げるテスト。もし坐骨神経が移動した椎間板(または椎間板の破片)によって圧迫を受けていれば、非常に大きな痛みが生じる。通常、痛みは障害のある側に生じ、良い方の足は痛みもなく上げることができる。

次回は「腰椎分離症」です。


2001年5月28日

監修:萬納寺毅智(萬納寺整形外科院長)
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