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白血球数から炎症の有無や免疫力がわかる
白血球は、体内に侵入してきた細菌やウイルスと戦い、病原体から体を守る働きをしています。血液1μl(=マイクロリットル)に含まれる白血球数の正常値は、男性で3900〜9800、女性で3500〜9100で、1万を超えることはありません。
ところが体内に病原菌が侵入すると、それをやっつけるために白血球が集まり、病原菌を食べて分解したり、免疫抗体をつくって病原菌を殺します。たとえば虫垂炎などの炎症が生じると、白血球数が普段の2倍以上の2万近くになるため、白血球数で炎症の有無がわかるのです。白血球数が多いときは、虫垂炎、扁桃炎、肺炎、胆嚢炎、腎盂腎炎、膀胱炎が疑われ、3万以上と、とくに多い場合は慢性骨髄性白血病が疑われます。逆に、少ないときは、ウイルス性感染症の初期、急性白血病、再生不良性貧血、自己免疫疾患などが考えられます。
5種類の白血球の割合から病気の手がかりを得る
白血球には、好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球の5種類があり、それぞれ形や大きさ、働きが異なります。好中球や単球は、体内に病原体や異物が侵入すると消化酵素で溶かして食べる働きをします。好酸球は多くの酸素を含んでいて、病原体の毒素を酸化処理します。好塩基球は血液の凝固を防ぐ働きをしています。リンパ球は免疫を通じて体を守る働きをしているのです。
血液中にこれらの5種類の白血球が含まれる割合は、正常な場合、好中球が50〜60%、好酸球が1〜5%、好塩基球が0〜2%、単球が2〜7%、リンパ球が30〜40%ですが、病気によってこの割合が変化します。好中球が増える場合は、扁桃炎、虫垂炎、肺炎などの細菌性感染症、減るときは結核、再生不良性貧血、敗血症などの病気が原因です。好酸球が増える場合は、気管支喘息や花粉症などのアレルギー性疾患、寄生虫病、薬剤アレルギーなどが疑われます。好塩基球が減るときは、アレルギー性疾患、慢性骨髄性白血病が考えられるでしょう。単球が増えるときは麻疹、リンパ球がふえるときは結核、百日咳、流行性耳下腺炎、梅毒などの慢性感染症、リンパ性白血病などがあげられます。
また、健康な場合はほとんど見られませんが、リンパ球か単球か区別がつきにくい異型リンパ球が出現することがあります。この場合は、ウイルス性疾患が疑われます。
血小板数は出血傾向、C反応性たんぱくは炎症をチェック
血小板数の検査は出血傾向や止血能力を調べます。正常値は血液1μlあたり10万〜40万。数値が多い場合は、感染症、鉄欠乏性貧血、本態性血小板血症、慢性骨髄性白血病、数値が低い場合は、血小板減少性紫斑病、再生不良性貧血、急性白血病が疑われます。
また、炎症性の疾患が疑われるときはC反応性たんぱく(=C-reactive protein=CRP)の検査をし、炎症が起きると増加するたんぱくの有無を調べます。正常値は陰性〜0.5mg/dl以下です。陽性は6段階にわかれ、炎症の程度を表します。心筋梗塞、リウマチ熱、慢性関節リウマチ、気管支肺炎、がんなどにおかされると陽性と出ます。
正常値
| 白血球数(WBC) |
男 |
3900〜9800/μl |
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女 |
3500〜9100/μl |
| 赤血球数(RBC) |
男 |
427〜570万/μl |
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女 |
376〜500万/μl |
| 血色素量(ヘモグロビン量:Hb) |
男 |
13.5〜17.6g/dl |
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女 |
11.3〜15.2g/dl |
| ヘマトクリット値(Ht) |
男 |
39.8〜51.8% |
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女 |
33.4〜44.9% |
| 平均赤血球容積(MCV) |
男 |
82.7〜101.6fl |
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女 |
79.0〜100.0fl |
| 平均赤血球血色素量(MCH) |
男 |
28.0〜34.6pg |
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女 |
26.3〜34.3pg |
| 平均赤血球血色素濃度(MCHC) |
男 |
31.6〜36.6% |
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女 |
30.7〜36.6% |
| 血小板数 |
男 |
13.1〜36.2万/μl |
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女 |
13.0〜36.9万/μl |
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| CRP |
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(−)、0.5mg/dl以下 |
| 白血球百分率 |
好中球 |
50〜60% |
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好塩基球 |
50〜60% |
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好塩基球 |
0〜2% |
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好酸球 |
1〜5% |
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単球 |
2〜7% |
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リンパ球 |
30〜40% |
*注 検査の正常値・基準値は絶対的なものはありません。記事中にあげたデータは臨床で使われているものの一例です。
2001年8月27日
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※この原稿は臨床検査技師が監修しています。