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  定期健診や人間ドックの検査データをチェックしておこう 第1回
  尿検査(その1)

検査データから病気の早期発見、予防ができる

 がん、心臓病、脳卒中、高血圧、糖尿病、肝臓病、腎臓病などの成人病は、初期にはほとんど自覚症状がみられません。にもかかわらず、病気は少しずつ進行し、気がついたときには、症状が重く、治療が難しい状態になっていることも少なくないのです。定期健診や人間ドックはこの自覚症状のないときに受けてこそ意義があり、その検査データは病気の早期発見や病気にかかりやすい生活環境、身体条件の発見に役立ちます。検査データを受け取ったら、内容をチェックし、自分の体の状態を知っておきましょう。
 なお、検査データは、そのときの精神状態や、時間帯、季節などによって大きく変わります。検査で「異常なし」と出た場合、それは現時点で異常が見つからなかったということです。「要精密検査」の判定でも、精密検査をすれば「異常なし」となる場合も多いので、検査結果に一喜一憂しないで、結果をきちんと受け止めましょう。

尿検査は腎臓病を中心にチェック

 全身をめぐる血液の老廃物を、水分とともに排泄するのが尿です。尿に含まれている成分を調べれば、腎臓病、肝臓病、心臓病、糖尿病、尿路の病気などがわかります。健診でおこなわれるのは、尿試験紙を使った検査が中心です。
 尿pH検査は、リトマス試験紙で尿の性状をチェックします。正常尿は弱酸性でpH6.0程度ですが、食べ物の種類によってpH4.5〜7.5の間を変動します。一般に、動物性食品を多くとると酸性に傾き、植物性食品を多くとるとアルカリ性に傾きます。また、発熱、腎炎、糖尿病、ひどい下痢、痛風、気管支肺炎の場合は酸性に傾き、嘔吐、腎不全、尿路感染症、カリウム塩のとりすぎやアルカリ性薬品の飲みすぎの場合は、アルカリ性に傾きます。
 尿蛋白検査は、尿中の蛋白を調べます。健康な人でも1日あたり40〜80mgの蛋白が尿に出ますが、その範囲なら陰性です。陽性の場合はもう1度検査をおこないますが、一時的な場合は、激しい運動や作業で起こる起立性蛋白、熱性蛋白などですから問題はありません。常に陽性の場合は慢性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、心不全などの病気が疑われます。

増えている糖尿病も尿糖検査で可能性がわかる

 尿糖とは文字通り尿に糖が混じることで、尿糖検査は尿中のブドウ糖の有無を調べる検査です。健康な人の尿には、試験紙では検出されないわずかな量のブドウ糖しか含まれません。ブドウ糖は重要なエネルギー源で、活動するのに必要なためです。正常値は陰性で、陽性は異常ですが、摂取した食べ物によっておこる食餌性陽性もあります。また、妊娠で一時的に陽性になることもあります。
 尿糖検査のみで糖尿病であるかどうかを診断することはできませんが、尿糖陽性の場合には血糖が上昇している可能性が強く、糖尿病を疑うことができます。
 ストレス糖尿、腎性糖尿は、血糖値が正常なのに糖尿が出るもので、これは糖尿病とは関係がありません。そこで、糖尿病かどうかをチェックするために、尿ケトン体検査がおこなわれます。脂質の代謝が亢進(こうしん)し、糖の代謝が低下したときに、組織がブドウ糖を取り込めないために、ブドウ糖が酸化されてケトン体(アセトン体)になり、エネルギー源となるためです。正常値は陰性で、ケトン体が増加して陽性と出た場合は糖尿病です。しかも食事制限などの管理がいき届いていないと考えられます。

尿 基準値
pH 4.5〜7.5
蛋白定性 (-)
尿糖定性 (-)
ケトン体定性 (-)
ビリルビン定性 (-)
ウロビリノーゲン定性 (+-)プラスマイナス

*注 検査の正常値・基準値は絶対的なものはありません。記事中にあげたデータは臨床で使われているものの一例です。

次回は「尿検査(その2)」です。


2001年8月6日

※この原稿は臨床検査技師が監修しています。

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