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虫のなかで一番被害が多いのが、ハチの類です。ハチの毒は、痛みやかゆみを引き起こす成分のほか、神経を麻痺させる神経毒などがあり、ひどい場合にはショック状態に陥り死亡することもあります。何よりもハチの巣に近づかないことが大切で、間違って巣に近づいた場合は、静かに姿勢を低くしてその場から遠ざかることが予防のポイントです。
●オオスズメバチ 〔スズメバチ科〕
スズメバチは日本全土に数種類生息し、夏から初秋に被害が集中する、アウトドアでもっとも危険な虫といえます。オオスズメバチは、スズメバチ科の中で最大の種です。
【特徴】
・色)頭部は黄色で黒斑がなく、体は黄色と黒のしまもよう
・体長)雌37〜44mm、働きバチ27〜37mm程度
【被害】
巣づくりのピークである9〜10月を中心に、7月〜11月に被害が発生しています。刺されると、激しい痛みに加え、刺されたところが赤く腫れてくるほか、重症の場合、血圧低下や吐き気、呼吸困難、頭痛、嘔吐、発熱、下痢、全身のむくみ、腎臓障害などが起こり、アナフィラキシー反応(*)によるショックで死亡することもあります。
(*)…1度刺されることで体内に抗体ができ、2度目以降刺されたときに、体が過剰に反応して起こるショック症状
【応急処置】
スズメバチに出会ってしまったら、とにかく姿勢を低くして静かに巣から遠ざかること。刺されてしまったら、刺された部分の周囲を強くつまんで毒を押し出すようにしながら、水道水などのきれいな水でよく洗ったあと、ぬれ手ぬぐいなどで傷口を冷やしましょう。腫れや痛みには、抗ヒスタミン含有のステロイド軟膏を塗り、全身症状には、抗ヒスタミン剤かステロイド剤を服用しますが、早急に医師にかかることが第一です。
【その他スズメバチ科の危険なハチの例】
| キイロスズメバチ |
体の特徴 |
・頭部は黄色で、頭のてっぺんに黒い斑紋がある
・雌25〜28mm、働きバチ17〜25mm |
| 注意点 |
・低山地に多く軒下などにも巨大な巣をつくり、スズメバチの事故の中で最も多い
・巣に近づくと、空中でカチカチという音を立てながら威嚇して周りを飛びまわる。このときは、びっくりして急に動いたりせず、低い姿勢で静かに現場から離れること。 |
| コガタスズメバチ |
体の特徴 |
・頭部は黄色で、頭のてっぺんに黒い斑紋はない
・雌26〜29mm、働きバチ22〜27mm |
| 注意点 |
・人家周辺に多く、低木の枝に巣をつくるため、軒先や庭木の植え込みなどによくみられる
・巣のついた枝に触らない限り、ほとんど人を襲わないので、とにかく近寄らないこと |
| モンスズメバチ |
体の特徴 |
・コガタスズメバチに似ているが、頭のてっぺんに黒い斑紋がある
・雌29mm前後、働きバチ21〜28mm |
| 注意点 |
・木の洞や屋根裏などに主に閉鎖的なところに巣をつくる
・攻撃性が強く、8〜9月には巣の近くを通っただけでも刺すことがある
・働きバチは日没後も数時間活動する |
| ヒメスズメバチ |
体の特徴 |
・頭は黄色く黒斑はない。尾端の1〜2節が黒い
・25〜36mm |
| 注意点 |
・床下や戸袋、屋根裏や物置の中など、閉鎖的なところに巣をつくる
・巣をいたずらしない限り、人を刺すことはない |
| クロスズメバチ |
体の特徴 |
・体が黒く、白い斑紋がある
・11〜18mm |
| 注意点 |
・ジバチとよばれ、主に地中に巣をつくる
・攻撃性はさほど強くないが、巣のすぐ近くを通って刺激したために刺されたり、飲んでいる缶ジュースにやってきて唇を刺される事故が発生している |
| フタモンアシナガバチ |
体の特徴 |
・体が黒く黄色い斑紋があるほか、腹部の左右に黄色の丸い紋がある
・14〜18mm |
| 注意点 |
・軒下や木の枝、草むらなどに巣をつくり、周りに草地がある人家周辺でみられる
・いたずらをしない限りあまり心配はいらないが、6〜8月に、草取りなどで巣を刺激して襲われる場合があるので注意
・9〜11月には、新しい女王バチが巣立つ時期に、洗濯物などに紛れ込んでいたハチに気づかず服を着て刺される事故がある |
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●ミツバチ
【特徴】
・色)腹部が黄色っぽいセイヨウミツバチと、黒っぽいニホンミツバチがある
・体長)働きバチ10〜13mm
【被害】
毒の量は少ないですが、集団で襲ってくるので、巣に近づかないようにしましょう。セイヨウミツバチは飼育されているのがほとんど。野生のニホンミツバチは、山林の木の根元などに巣をつくりますが、両方とも花に密や花粉を集めにきたりしています。
ミツバチの針には逆向きになった棘があるため、刺さると皮膚に食い込み自然に抜けることはありません。
ミツバチに刺された場合は、激痛がありますが、痛みはすぐに引いていき、刺されたところが赤く腫れてきます。何度も刺されるとアナフィラキシーショックに陥り、死亡することもあります。
【応急処置】
ミツバチに刺されたときは、残った針を毛抜きなどでそっと、す早く抜きます。針を押し込まないようにして、針の根元の毒のうを爪で弾き飛ばすようにするとよいでしょう。そのあとに抗ヒスタミン剤を含むステロイド軟膏を塗ります。ショック症状が出たときには、早急に病院を受診してください。
●アナバチ類について
アナバチは、地中のほか、建物のすきまや壁、竹筒など、さまざまな場所に巣をつくります。毒針を持っていますが、巣を守ろうとして相手を攻撃するためのものではなく、獲物を捕らえるときに麻酔のため使われます。ですから、手で捕まえたりしない限り、基本的に人を襲うことはありません。
<参考文献>
『知っておきたい アウトドア危険・有毒生物安全マニュアル』東京医科歯科大学助教授 篠永哲【監修】 学研
『アウトドア 緊急ハンドブック』川崎医科大学救急医学教授 救急部・高度救命救急センター部長 小濱啓次【監修】 小学館
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2002年6月10日
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