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世界で起こっているエイズにまつわる事件・状況と、それがもたらす社会的影響を知れば、もはや自分に関係のない話では済まされません。
●南アフリカで迷信による幼女レイプが急増
なんと国民の9人に1人がHIVに感染しているといわれる、世界で最もHIV感染者が多い国、南アフリカ。ここで、生後1歳にも満たない女児がレイプされるという、悲しい事件が昨年2件発生しています。この背景には「処女とセックスをすればエイズが治る」という迷信があり、現在、南アフリカでは幼女や少女を狙ったレイプ事件が急増しています。
国も文化も違うから日本ではそんな迷信が出回るわけはないよ、と思ったとしても、もしも9人に1人がHIVに感染しているという状況になったら、はたしてその中に恐怖のあまり迷信や妄想にとりつかれない人はいないと、言い切れるでしょうか。もちろん、この事件の犯人の行為は許されざるものであることはいうまでもありませんが、"狂気の沙汰であり自分とは別の世界の話"で済ませるのではなく、正しい知識を持たないと社会に誤った迷信が生まれてしまう可能性があることを再認識して、今一度HIVの正しい知識を身に付けたいものです。
*参考:共同通信 2001年12月8日ニュース
●アフリカの平均寿命が20年間で15歳低下
アフリカ統一機構(OAU)は、加盟国国民の平均寿命が2005年には47.5歳まで低下するとの見通しを示しています。これは、なんと20年間で15歳も低下した値なのです。理由には、内戦や貧困のほかに、エイズがあげられています。エイズは確実に国民の長寿の妨げになるのです。
*参考:共同通信 2002年2月12日ニュース
●エイズは経済をも侵す GDPが14%減
『国民のみなさん、セックスは自粛してください』
もしもいま、あなたがテレビを見ていたとして、そこに小泉総理大臣が出てきて「国民のみなさん、セックスは自粛してください」などと言ったら、あなたはどう感じますか? 驚くとともに、「そんなプライバシーに口出しするのは余計なお世話」などと思うのではないでしょうか。ところが、これが、余計なお世話ではなく、プライバシーを超えた国の問題になっている国家があるのです。
ケニアでは、1日当たり700人がエイズのために死亡。国内総生産(GDP)が14%も落ち込む原因となっており、大統領が不必要な性行為を2年間避けるよう国民に呼びかける演説をおこないました。エイズ予防にはコンドームの使用がよいとされますが、同国では年間3億個ものコンドームを輸入しており、これに多額の費用がかかっています。
エイズは人間の個体を侵すだけではありません。経済をも蝕むのです。
*参考:共同通信 2001年7月13日ニュース
●エイズでアフリカの農業に被害
〜食料輸入国ニッポンはエイズに倒れるかも?
国連食料農業機構(FAO)は、昨年の年次報告により、エイズによる死亡者の急増がアフリカ農業に大きな被害を与えていることを指摘しています。
エイズ被害が顕著なアフリカの25カ国では、1985年以降、エイズで700万人の農場労働者が死亡しています。例を挙げると、ジンバブエの農業地帯では、5年間で小規模自作農の食料生産が、エイズによる労働力不足で50%も減少したそうです。
たとえば、世界で最もHIV感染者が多いとされる南アフリカからは、日本は主に粗糖、グレープフルーツなど(JETRO「2000年の日本の食料輸入・統計特集」より)を輸入しています。食料輸入でお世話になっている国々のHIV感染者が増えることは、食料が輸入しにくくなるばかりでなく、ただえさえ減っている現地の人の食料を奪ってしまうことになり、さらに貧困を進め、死亡率をあげてしまうのです。これでは悪循環であり、対策を講じないでいると、行く末には共倒れが待っている、まさにエイズは今、国家社会、しいては世界を蝕む病気であることを、認識しておいてください。
*参考:共同通信 2001年9月11日ニュース
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2002年5月20日
2002年6月10日更新
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