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Special Edition
  性交渉によるエイズ患者数が増えつづけている


全体の8割は性交渉による感染

 エイズを引き起こすウイルスであるHIVの感染経路は、性交によるものだけではなく、そのほかに母子感染、輸血や注射器による事故などの血液媒介感染などもあります。しかし、これらの感染経路のうち、全体の8割程度と最も多いのが性交渉による感染で、近年、若い世代の人を中心に感染するケースが増えています。厚生労働省では、国内のエイズ患者・HIV感染者の数は毎年増えつづけており、このままのペースで増えつづけると、2001年9月までの累積報告数が6500人であるのに対し、2010年には約7倍の4万7000人にも上ると予測しています。
 にもかかわらず、検査を受ける人の数は減っており、エイズに対する意識の低下が懸念されます。また、実際には上記の報告数に加え、感染したことに気づかずにいる人がかなりの数存在しているとも考えられています。

 

最新治療でウイルスの増殖を抑える

 ただし、エイズに関しては悪い話題ばかりでもありません。HIV感染者は増えていますが、最新治療により死亡者数は減少しているのです。つまり、発症をある程度コントロールできるようになってきたということです。この最新治療は、複数の治療薬を服用する「多剤併用療法」といい、ウイルスの増殖を抑えてエイズの発症を防ぐものですが、薬の数が多くなるということは、服用を守ったり、副作用があらわれていないか体調をチェックしたりといったことがより大切になってきますから、それだけ患者さんの積極性が必要な治療ともいえます。

stop AIDS イメージ エイズは何よりも感染しないよう予防することが第一ですが、もしも感染が疑われる機会をもってしまった場合は、とにかく検査をすることが大切です。不治の病という恐怖や性にまつわる病気というイメージから検査にいきにくいかもしれませんが、治療も進歩してきていますので、きちんと検査を受け、適切な治療を受ける機会を逃さないようにしましょう。全国の保健所では無料・匿名でHIV抗体検査(感染の時期から2〜3カ月後に可能)を受けることができます。

「自分には関係ない」ことと思っていても、はたしていつまで安全な環境が続くのでしょうか。あなたが愛と性を受け入れる限り、予想もしない人からの長いルートを経て、あなたのもとにHIVが紛れ込むかもしれないのです。
 大切な人に感染させないためにも、自身の性行動を振り返るきっかけづくりとして、世界中で起こっているエイズの問題についてお届けします。エイズは、ヒトの個体ばかりでなく、社会をも侵す病気であることを知っておいてください。

<<現在のエイズに関する状況のまとめ>>
 ◎感染者数が増えている。特に若い世代で性交渉による感染が増加中
 ◎検査を受ける人が減っている。これはエイズに対する意識の低下ともいえる
 ◎最新治療により死亡者数は減っている

 

【海外 エイズ蔓延国の悲惨な状況】
 世界で起こっているエイズにまつわる事件・状況と、それがもたらす社会的影響を知れば、もはや自分に関係のない話では済まされません。

 

【病気が病気をよぶ… エイズとは?】
 エイズがなぜ怖い病気とされているのでしょう。それは、エイズは体を病原体から守ってくれる「免疫システム」を破壊するからです。

 

【感染が疑われるときは「HIV抗体検査」を】
 エイズは予防することが何より大事ですが、もしも感染が疑われる機会を持ってしまった場合は、どこで検査が受けられるのでしょうか。

 

 <参考資料>

  • 『エイズ 発見から治療最前線まで』 医学博士 畑中正一〔著〕 共立出版
  • 『現代免疫物語』 医学博士 岸本忠三・日本経済新聞社科学技術担当編集委員 中嶋彰〔著〕 日本経済新聞社
  • 『免疫のしくみ』 東京理科大学生命科学研究所教授 阿部良〔監修〕 PHP研究所
  • 『感染症ファイル』 国立感染症研究所 感染症センター〔協力〕 竹内書店新社
  • 『殺人病ファイル』 21世紀感染症研究会〔著〕 日経BP社
  • NHKきょうの健康 2002年3月


2002年5月20日
2002年6月10日更新

佐倉 みのり
プロフィール
 健康関連分野を得意とするライター。サプリメントや漢方薬が好きで、常用していますが、それ以上に酒が好きなため、周囲に健康おたくと認めてもらえません。そのほか、「性と健康」分野に興味があり、集めた情報をいつか本にまとめたいなと思っています。
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