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Special Edition
  『院内感染』 患者が予防できることはあるのか?
  院内感染〜患者としてできること


 院内感染がなかなか減っていかない現実はあっても、あきらめてしまうことはありません。自分の体や家族の体は自分たちで守りたいもの。患者になったとき、院内感染にかからないためにはいったいどんなことに気をつければよいのでしょうか。

 

患者としてできること

◎手洗い
 病気になっても、ちょっとした注意で院内感染を防ぐことはある程度まで可能です。
 とにかく基本は手洗い。なぜなら病原体は手を介してうつるケースが非常に多いからです。たとえば、食事の前は、必ず石鹸で手を洗うようにしましょう。消毒薬の過信は禁物。最近では消毒薬の効かない菌も出てきているからです。手を洗ったあとは清潔なタオルで手を拭くようにしましょう。合わせて食事前のうがいも効果的です。

◎病院選び
 病院を選ぶときには清掃が行き届き、看護婦さんらが頻繁に手を洗っているようなところを選びたいものです。
 もしも、医師や看護婦さんが、指輪や腕時計をしたまま診療をおこなっていたら、要注意。MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)による院内感染があった病院で、医師らの指輪や腕時計から菌が検出されたという例があります。指輪や腕時計をしたままでは手首までの正しい手洗いができません。
 また、口元や耳、鼻にはMRSAが常在していると考えられるため、病院内で医療従事者は肩から上を触らないのが感染予防の鉄則だということを、覚えておいたほうがよいでしょう。顔回りを触らない、触ってしまったら患者に触れる前にきちんと手洗いをする。忙しいなかでも、医師や看護婦さんたちがこのような基本をしっかりおこなっている病院ならより安心できるでしょう。

 

患者家族としてできること

◎清潔な服装と手洗い
 家族が入院している病院へ行く時にも、清潔を心がけるのが一番です。着ている服が汚れていないかどうかをはじめ、病院についたら手洗いをしっかり行なって、入院患者に外から持ち込んだ病原体をうつさないよう心がけましょう。

◎見舞いの花には要注意
 さらにお見舞いの花にも注意が必要です。花そのものはあまり問題ないのですが、花瓶の水に菌が繁殖しやすいからです。

◎ぬいぐるみは避けたほうが無難
 入院している子どもに、ぬいぐるみをプレゼントするのも考えもの。ニュージーランドのクライストチャーチ医科大学の研究者の報告によると、ぬりぐるみなどの柔らかいおもちゃの90%がバクテリアに汚染されていたとか。

 

病院にかからないよう、
自己免疫力を高めるのが最大の防衛策

 院内感染は、耐性菌の出現や日和見感染の発現など、清潔を徹底しても防ぎ切れない面があります。そうすると、結論はやはり毎日を健康に過ごし、病原菌に感染しにくい体をつくって、なるべく病院にかからないことが、一番確実な院内感染防衛策といえるでしょう。そこで、以下に免疫力を高めるポイントをまとめてみました。

◎食事はよく噛んで食べる
 だ液には殺菌効果を持つ物質が含まれています。またよく噛むことで、耳下腺から免疫力を高めるホルモンが分泌されます。

◎バランスよくいろいろな栄養素をとる
 栄養バランスのよい食事をとりましょう。特にビタミンA、C、Eは免疫力を高めるのに効果的です。

◎腸をきれいにする
 腸内細菌の善玉菌は外からの病原菌を退治してくれます。

◎正しい生活習慣を身につける
 睡眠をたっぷりとって適度な運動を心がけましょう。大きなストレスは免疫力を低下させます。タバコは百害あって一利なし。運動は手軽にできるウォーキングなどから始めると、継続しやすくよいでしょう。

◎プラス思考を心掛ける
 前向き思考は、リンパ球や白血球を増やし、免疫力を高めることが知られています。

 

<参考資料>
・『感染症から身を守る本』国立感染症研究所感染症情報センター長
 岡部信彦著 KAWADE夢新書
・『ここがおかしい菌の常識』青木皐著 ダイヤモンド社
・『免疫力を高めるコツ50』ホリスティック京北病院院長 小林常雄著 同文書院
・『殺人病ファイル』21世紀感染症研究会著 日経BP社
・『しのびよる病原体』感染症ファイル
 国立感染症研究所感染症情報センター協力 竹内書店新社
・『バクテリアのはなし』生田哲著 日本実業出版社

2002年3月18日

五十嵐 麻弥子
プロフィール
 妊娠をきっかけにフリーの道を歩み始めたライター。「働くお母さんの育児方法」的な本を読んで「ほこりじゃ子どもは死なない!」という甘い言葉を実践して…つまり掃除をしていなかったら、子どもがぜんそくになってしまったという苦い経験を持つ。ひとり息子のりゅうやは、どんなに具合が悪くても歌って踊れるエンターテイナーな2歳児。
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