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多くの医薬品に使用されている牛の組織
狂牛病の登場によって人間はさまざまな動物をあらゆる方法で利用してきたことが明らかになりました。そのことに気づかされた人は少なくないのではないでしょうか。
化粧品だけでなく、医薬品にも牛の組織が使われています。例をあげると、止血、胃潰瘍、湿疹、糖尿病、変形性関節炎用などの薬。人工透析患者に投与する貧血剤、肝不全患者のための栄養剤などです。
牛の組織からつくられた医薬品の数は非常に多く、このコーナーではとてもすべてを紹介することができません。牛の原産国もまた多様で、その危険度もさまざまです。
一般の消費者にとって薬はもっともわかりにくい商品の一種ではないでしょうか。それだけに不安が大きくなるかもしれません。しかし、薬屋さんで買えるような薬よりも、病院が購入して患者さんに投与する薬のほうが、牛由来の成分を使った薬の数が多いので、患者が注意するというよりも、厚生労働省と製薬メーカー、そして病院という専門家の努力が求められるといえるでしょう。
高リスクの医薬品はすでに回収済み
昨年秋、厚生労働省はメーカーに回収の指示を出しています。狂牛病のリスクの高い牛の部位を使ったものを調べて、まず、第1にリスクがより高いものは直ちに回収すること、第2に、中程度リスクの医薬品は、現在の回収の努力を継続すること、第3に、より低いリスクの医薬品は可能な限り早く製品を切り替えることを求めています。厚生労働省によれば、もっともリスクの高いもののひとつは、牛の腸を原料にした手術用縫合糸だといいます。これはすべて回収済みとなっていますから、今後、牛由来の縫合糸が使われることはありません。
国産の牛を原料に止血剤を製造していたメーカーは、安全度の高いオーストラリア産に切り替えはじめました。
カプセルの原料には牛由来のゼラチンが多く使われていますが、あるメーカーは錠剤にかえて商品化するなどの措置を講じています。
自分の服用している薬が安全かどうか不安な場合は、確認してみるのもよいでしょう。たとえば、慢性的な病気にかかっており、どの薬を使っているのか医師の説明を受けている人は、医師に改めて説明を求めることもひとつの方法です。
または、「医薬品情報提供」 http://www.pharmasys.gr.jp/ でどの薬剤が自主回収されて安全なものに代わったのかを調べることができます。
【狂牛病という呼び方について】
狂牛病はイギリスの農民がつけた名前で、正式な病名ではありません。現在、 世界的には牛海綿状脳症(BSE=Bovine
Spongiform Encephalopathy)と よんでいます。
次回は「狂牛病のない世界に戻れる日はいつ?」です。
2002年2月18日
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