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人が歳をとるように、血管も老いていく
人は血管とともに老いるといわれています。その大きな理由は動脈にみられる加齢に伴う変化です。動脈は内皮細胞からなる薄い内膜、平滑筋と弾性線維で構成される中膜、外皮を取り巻く結合線維からなる外膜の3層でできています。歳をとると、まず内膜が厚くなり、中膜から平滑筋が出てきて動脈硬化をきたし、脂肪の沈着を起こします。また大動脈では弾性細胞が減少して血管の伸縮性が低下します。血圧が年齢とともに高くなるのはこのためです。
血管の老化からくる動脈硬化や高血圧をさらに促進させるのが運動不足です。中高年になると、どうしてもフットワークが悪くなり、運動不足気味になります。前回で紹介したように、運動不足は血中脂肪を増やして、低比重コレステロール(LDL)の血管壁への沈着を進めます。
中高年になると、血管の老化という避けられない条件があることを肝に銘じ、動脈硬化や高血圧にならないように日頃から気をつけましょう。
心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす動脈硬化
動脈硬化や高血圧はなぜ怖いのでしょうか。動脈硬化が進むと、血管の内腔が狭くなり、血流がスムーズに流れなくなります。動脈硬化が冠動脈に起こると、心臓の筋肉や細胞組織に栄養や酸素が行かなくなり、心筋梗塞を引き起こします。さらに脳の血管が詰まると脳梗塞を招きます。
一方、高血圧になると、血管壁に高い圧力がかかるため、内膜の内皮細胞を傷め、動脈硬化のきっかけをつくったり、動脈硬化を進行させます。また、血圧が高いと、心臓にも負担がかかるので、心不全や心肥大などの合併症を引き起こしやすくなります。
動脈硬化や高血圧で大きな問題は、自覚症状がないという点です。そのため気がつかないままに症状が進行して、ついには合併症を引き起こし、場合によっては生命をおびやかすことも少なくありません。
和食で腹八分目が理想の食事
動脈硬化と高血圧に共通する危険因子として運動不足、肥満、高脂血症、糖尿病、過度の飲酒、ストレス、喫煙などがあります。中でもキーになるのは肥満です。肥満にならないために、いちばんに気をつけたいのが食生活です。食生活に注意することは肥満や動脈硬化、高血圧だけでなく、高脂血症や糖尿病の予防にもつながります。
食生活の基本は1日3食の規則正しい食事と、満腹を避けた“腹八分目”です。さらに、中高年の食事として理想なのは、洋食よりも魚や大豆製品、野菜がたっぷり使われている和食です。良質なタンパク質やデンプン、食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富で、しかもエネルギーはそれほど高くありません。
よく毎日30品目食べるのがよいといわれます。しかし実際に30品目を念頭にメニューを考えるのはなかなか大変です。そのときは5色の食品を毎回の食事に取り入れることを心がけるとよいでしょう。5色とは赤(梅、トマト、ニンジン、アジ、マグロなど)、白(ご飯、ジャガイモ、牛乳、キュウリ、白菜など)、黒(黒ごま、ワカメ、昆布、シメジ、シイタケなど)、黄色(味噌、カボチャ、オレンジ、レモンなど)、緑(ほうれん草、キャベツ、ブロッコリー、高菜など)です。
次回は「腰痛・膝痛・骨粗しょう症を予防しよう」です。
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