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大腿部に腸などがはみ出してくる
大腿ヘルニアとは、鼠径(そけい)部より下側の大腿部、太もものつけ根がふくらんで見えるヘルニアです。鼠径ヘルニアと同じように、加齢や体力の低下などによって大腿部の筋肉や筋膜が弱くなり、鼠径靭帯の後ろにあり、動脈が腹腔内から大腿に出て行く通路にある大腿管を通って、胃など内臓を覆っている脂肪組織である大網(だいもう)や腸、卵巣が脱出するヘルニアのことです。
中高年女性に多い大腿ヘルニア
大腿ヘルニアは重いものを持った時などに起こりやすく、成人の鼠径ヘルニアが男性に多いのに対して、大腿ヘルニアは中年以降の出産を経験した女性に多くみられます。その理由は女性の場合男性より大腿管が広く、出産で筋肉の抵抗が弱くなるためといわれています。
症状としては、太もものつけ根や鼠径部のふくらんだ部分を押すと痛みがあり、重いものを持ち上げたり、かがんだりした時に痛みが増したり、不快な感じがしたりします。
大腿ヘルニアは「かんとん」になりやすい
太もものつけ根のふくらみを手で押してはみ出した腸を腹腔内に戻さないと、腸が飛び出したまま元に戻らなくなる「かんとん」の状態になってしまいます。大腿管は細いため、大腿ヘルニアを起こすと「かんとん」になりやすいようです。かんとんになると腸閉塞を起こして嘔吐などの症状があらわれ、放っておくと腸が壊死してしまい、生死に関わってきますから、緊急手術が必要になります。
大腿ヘルニアの手術
大腿ヘルニアの手術の方法は、鼠径ヘルニアと同じメッシュプラグ法が可能な場合もありますが、かんとんの程度や腸壊死の有無によって手術方法が変わってきます。一週間程度の入院が必要なことが多く、腸が壊死して切除が必要な場合は、もっと長期の入院が必要になることもあります。
次回は「鼠径(そけい)ヘルニアQ&A」です。
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