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大人の鼠径ヘルニアの手術方法には次の3種類があり、どの術式で行うかは、鼠径ヘルニアの種類や病状によって選択します。
バッシーニ法
鼠径部(足のつけ根)を6、7cm切開し、腸が脱出していたヘルニア嚢(のう)と呼ばれる袋を根元で縫い閉じ、さらに筋膜や腹壁の筋肉を縫い合わせて補強します。しかし、この手術方法では、術後、縫い合わせた部分につっぱり感や痛みがおきるケースが少なくなく、年をとるにつれてさらに筋膜が弱くなり、手術した部位や引っ張られた反対側にヘルニアが再発することもあり、再発率は約2〜10%といわれています。また、手術後は2〜3日は安静にし、1週間前後の入院が必要です。
メッシュプラグ法
ヘルニア嚢周辺の組織を縫い合わせる代わりに、人工補強材(ポリプロピレン製メッシュ)でヘルニアの出口に栓をするとともに、筋膜の弱い部分にあてものをして補強する方法です。 バッシーニ法による術後のつっぱり感などを解消するために開発された方法で、現在もっとも多く行われています。全身麻酔をかける必要がないため手術が短時間で済み、術後の痛みも軽いようです。入院期間も短く、病院によっては日帰り手術が可能です。再発率は0.1〜1%程度とされています。)、術後よりすぐに歩行ができ、短期入院または日帰り手術が可能です。
ただし、かんとんヘルニアの場合は炎症をおこしているので、メッシュプラグ法は基本的には行えません。人口補強材は異物のため、もし炎症を起こした細菌に感染すると、難治性の膿瘍(うみのたまったもの)になり、せっかくの補強材を取り除かなければならなくなる恐れがあるからです。
腹腔鏡手術
お腹に直径5〜10mmの孔を3カ所開け、そこから腹腔鏡を挿入して、弱くなった筋膜や腹壁の筋肉にお腹の内側から人工補強材をあてて補強する方法です。手術の傷が小さいため、回復が早いというメリットがありますが、普通の手術が腰椎麻酔で行えるのに対して全身麻酔が必要で、手術時間も1〜2割余計にかかります。また行っている病院も一部に限られています。
次回は「大腿ヘルニアとは?」です。
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