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欧米型食生活が前立腺がんの増加要因
これまで、日本人には前立腺がんの発症は少ないといわれていました。ところが、最近では、前立腺がんにかかる日本人が急激に増加しています。
なぜ、こんなに急激に増加してきたのかというと、最大の要因は高たんぱく、高脂肪の欧米型の食生活が普及してきたことです。ちなみに、アメリカでは1998年段階で、前立腺がんの死亡者は約4万人近くに上ると推定されており、欧米型の食生活との関連が浮かび上がってきます。日本では野菜、穀物、魚中心の食生活を長い間送ってきたために、前立腺がんにかかりにくかったと考えられています。
症状が出たときにはかなり進行が進んでいる
前立腺肥大症は尿道を囲むところで発生するため、尿道障害などの症状が早期段階で出ます。一方、前立腺がんは尿道とは距離のある外側の部分でほとんど(60〜70%)が発生するため、初期にはこれといった明確な症状が現れません。そのため、本人ががんとは気づかず、前立腺肥大症の検査で偶然に発見されることも少なくありません。また、医師も、前立腺肥大症の検査を行う際には、前立腺がんの疑いを念頭に置いて診断を進めます。
がんの病巣が大きくなると、尿道が圧迫され、尿が出にくくなる、排尿の回数が極端に多くなるなどの前立腺肥大症と同じような症状が現れます。こういった症状が出たときには、前立腺がんはかなり進行し、末期状態にあるといえます。
がん細胞が膀胱などに侵潤すると、出血して血尿が出ることもあります。
さらに、がん細胞が増殖すると、ほとんどの場合、他の部位に転移します。転移が最も多くみられるのがリンパ節や、骨盤をはじめとする骨です。骨に転移すると、腰痛や背中の痛みが生じます。単なる腰痛や背痛かと思い、整形外科を受診して、前立腺がんが発見されることも多々あります。また、骨に広範囲に転移すると、骨髄で血液を作れなくなり、貧血状態に陥ることもあります。リンパ節の転移が進行すると、足が腫れたり、むくんだりします。
前立腺がんの進行は比較的ゆっくりしており、それによって死に至るケースはそれほど多くはありません。しかし、前立腺がんで死亡した人の3人に2人は骨転移が原因になっています。これは、症状が初期には出ないため、どうしても気づいて受診したときには進行が進んでいいて、治療効果が上がらないためです。こうしたことを避けるためには、何よりも早期発見が重要です。前立腺がんは、前立腺肥大症同様、高齢になるほど発症しやすくなります。50歳をすぎたら、定期的に検査を受けるようにしましょう。
次回は「前立腺がんの治療法」です。
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