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シニアの健康
 
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前立腺の病気 第2回
シニア男性に多い前立腺肥大症


頻尿から閉尿まで、病気が進行していく

 前立腺は歳をとれば肥大するとよく言われますが、これは間違いで、前立腺自体は40歳ぐらいから萎縮してきます。前立腺は尿道に近い部分にある内腺と、その外側を取り巻く外腺とで構成されていますが、40歳代ぐらいになると、内腺部分に小さな結節ができ、これが加齢とともに大きくなり腺腫と呼ばれるぐらいになると、結果的に前立腺全体が大きくなり、前立腺は若いときよりも重くなってきます。これが前立腺肥大症という病気です。
 前立腺肥大症になると、一般的には排尿の異常が現れますが、中には、前立腺が肥大しても症状が出ないまま、一生終わる人もいます。また、肥大の程度はさほどでもなくても、症状が現れる人もいます。
 前立腺肥大症になると、症状は次のように進んでいきます。

トイレが近くなる イメージ(1)膀胱刺激期
 前立腺が肥大し始め、膀胱の出口や尿道を刺激する時期です。頻尿になり、尿意を感じると、すぐにトイレに行きたくなります。
 起きているときに2時間ももたないでトイレに行くようになったり、寝てからも3回以上、トイレに起きるという人は、前立腺肥大症を疑ってみる必要があります。健康な人の場合、1日の排尿は5〜6回が普通です。

(2)排尿困難期
 病状が進行すると、尿が出にくくなり、排尿に時間がかかるようになります。健康な人は排尿するとスッキリしますが、膀胱に尿が残っているような感じが起こってきます。こうした症状がさらに進むと、排尿後にも膀胱が空にならず、尿が残ってしまうようになります(残尿)。時には、膀胱に尿がいっぱいたまって排尿したいのに、尿が全く出なくなることもあります(尿閉)。

(3)腎機能障害期
 前立腺がますます肥大し、尿道をさらに圧迫します。排尿をしても出きらず、100cc以上の尿が常に膀胱に残るような状態が長く続くと、膀胱の筋肉が疲労し、場合によっては、膀胱に1000mlもの尿がたまって、膀胱がふくれあがることもあります。
 排尿後も膀胱に尿が残るようになると、腎臓の機能が低下し、腎不全に陥ることがあります。さらに、腎不全が尿毒症に進むと、ついには生命にかかわる危険も出てきます。
 前立腺肥大症自体は深刻な病気ではありませんが、放置しておくと、命を左右するほどの危険を招くケースがあることを知っておきましょう。

 

早めに泌尿器科の専門医の診断を受ける

 前立腺肥大症は、なぜ起きるのか、その理由はまだよくわかっていないのが実情です。しかし、男性ホルモンが深くかかわっていることは、間違いないとされています。
 いずれにしても、ちょっと自覚症状があるようだったら、泌尿器科の医者に、早めに診察してもらうことが必要です。
 前立腺肥大症は、早期に泌尿器科の専門医の診察を受け、適切に治療してもらえれば、完全に治すことが可能です。泌尿器科の医師を直接知らない場合には、かかりつけの医師に相談して、泌尿器科の専門医のいる病院を紹介してもらうとよいでしょう。


次回は「前立腺肥大の診断と治療法」です。

2003年9月8日

監修:北川 龍一
(元筑波大学教授、現順天堂大学名誉教授。半蔵門病院泌尿器科特別顧問)
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