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自覚がないまま進行することもある
慢性腎炎
透析療法を受ける原因となる疾患は、1998年から糖尿病性腎症が1位となり、かつて最多を占めていた慢性腎炎は第2位になっています。それでも、2001年に透析を開始した人の約3分の1は慢性腎炎が原因で、重要な疾患であることに変わりありません。慢性腎炎はたんぱく尿や血尿などが長期間続く病気で、症状・腎臓の病変により、IgA腎症、膜性腎症…とさらにいくつかのタイプに細分化されます。病気のタイプにより、軽度の血尿症状が主で検査をしないと気づかない程度のものや、多量のたんぱく尿のためむくみなどの症状を伴いやすいものがあります。それぞれのタイプにより、最適な治療や腎機能低下の速度、生活上の注意が異なります。
軽度のたんぱく尿・血尿は目に見えないため、健康診断などではじめて異常がわかることもありますし、自覚症状がないため病気に気づかず、腎機能の低下が進行し、慢性腎不全で発見されることもあります。健康診断で尿所見異常を指摘されたら、体調に異常がなくても放置せず、必ず専門医の診療を受けるようにしましょう。
女性や前立腺肥大症の人に多い
腎盂腎炎
腎盂腎炎は腎臓に起こる細菌性の感染症で、治療には抗菌薬が用いられます。通常、女性に多く発症し、再発するケースも少なくありません。しかし、男性でも前立腺肥大症になると尿が出にくくなり、膀胱内に尿がたまって細菌が増えるため腎盂腎炎が起こりやすくなります。前立腺肥大症は60〜70歳代の3人に1人がかかっているといわれていますので、尿が出にくい、尿のきれが悪い等の症状がある場合は泌尿器科での診察をおすすめします。
薬剤性腎障害
〜急性腎不全を起こすことも…
腎不全とは何らかの腎障害が原因となって、腎臓全体の機能が著しく低下した状態をいい、腎不全に至る経過から急性腎不全と慢性腎不全に分けられます。
急性腎不全は数時間から数日の間に急激に腎臓の働きが低下するもので、多くの場合急に尿の量が減少し(乏尿)、やがて尿量が増えて回復期に向かうという経過をたどります。ただし、乏尿が起こらないケースも少なくありません。
急性腎不全は腎臓病が原因となることはもちろんですが、ほかにも、心筋梗塞や心不全のような循環器疾患など、さまざまな疾患に伴って起こったり、薬の服用によって引き起こされる場合もあります。腎障害を起こしやすい主な薬として抗がん剤があげられますが、まれに元気な人が非ステロイド系抗炎鎮痛剤や抗生物質の服用後に急性腎不全を起こすことがあるので注意が必要です。症状としては血中の尿素窒素やクレアチニンが増加したり、たんぱく尿や血尿、乏尿などがみられます。
薬物性に限らず、急性腎不全は慢性腎不全と異なり、適切な治療をおこなえば、腎機能を取り戻す可能性があります。尿量が減った、血尿が出た、胃は悪くないのに吐き気がするといった症状があったらすぐに受診しましょう。
その他の泌尿器的な病気
●腎がん
腎がんはほかの臓器のがんに比べると発症率は低いものの、近年中高年の男性の間で増えつつあります。自覚症状としては血尿がひんぱんにみられるほか、進行するとお腹にしこりができたり、お腹全体の痛み、発熱、貧血、体重減少などの症状も現れます。
画像診断で早期発見が可能なため、最近では自覚症状がない時期に健康診断で見つかることも多くなっています。可能なら、超音波(腹部エコー)検査などを1年に1度定期的に受けるとよいでしょう。
●尿路結石
尿路結石も中高年の方に多い病気です。背中、腰、脇腹などに痛みを感じるとともに、血尿が見られます。結石の直径が1cm以下の場合は、水分を大量にとって尿と一緒に体外へ排出させます。自然排出が難しい場合には、体外から衝撃波を送って石を破砕する方法がとられます。
次回は「腎臓によい生活、悪い生活」です。
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