|
腎臓は体内の“ろ過装置”
私たちはしばしば「血尿が出た」とか、「たんぱく尿が出た」などと言います。これらは腎臓に何かしらトラブルがある際に現れる症状です。
腎臓は、ウエストの少し上あたりに左右1対あって、1つの大きさは握りこぶし大くらい、ソラマメのような形をしています。内側中央のくぼんだ部分に、血管(腎動脈・腎静脈)、尿管などが出入りしています。腎動脈は腎臓の中では細かく枝分かれし、その最後の毛細血管は糸くずを丸めた球のようになっていることから「糸球体」とよばれます。動脈から運ばれてきた血液中のナトリウムやカリウム等の電解質、クレアチニン、ブドウ糖、アミノ酸などは血液中の水分とともに糸球体でろ過されます。このろ過は1日に110〜170リットルにもおよびます。こされた液体(原尿)は尿細管を通って腎盂へ運ばれますが、尿細管の中ではいちどろ過された原尿の中から体に必要な電解質、ブドウ糖、アミノ酸や水分の大部分が回収されます。したがって原尿は、腎盂に着くころには、本当に不必要な物質だけを含んだ尿に変わっていて、尿管、膀胱を経由して体外へ排出されます。
腎臓病の症状に多く見られるむくみ
水分をたくさんとると、トイレに行く回数が増えます。また、汗を大量にかいたときなどには尿の量が減ります。これらは、腎臓が体内の水分の量を保つために、排泄する尿の水分量を調節しているからです。ところが何らかの理由で、この調節がうまくいかないと、体の内部に水分が多量にたまってしまいます。その状態がいわゆるむくみです。
むくみを引き起こすのは、腎臓が原因だけでなく、うっ血性心不全や肝硬変といった肝臓病などの病気でも起こります。ネフローゼ症候群という腎臓病が原因の場合は比較的急にむくみが現れますが、心臓や肝臓の状態によるときは徐々に現れることが多いようです。
むくむ場所は、顔の目の周り(主にまぶた)や足などですが、朝起きたときには顔のむくみが、また、夕方には足のむくみが目立ちやすくなります。そのほか、特に運動の後や水分・塩分をとりすぎたときには、むくみが強くなります。
多尿や血尿などの尿異常にも注意
腎臓病によって引き起こされる症状はむくみ以外にもあります。血液をろ過して尿をつくるという働きがうまくいかなくなることから、尿量の異常として気づく場合もあります。健康な人は一般に1日に1000〜1500ml程度の尿を排泄します。2500mlを超えた場合を多尿といいますが、腎臓の働きがかなり低下した際にも多尿となる場合があります。シニアの間でしばしば見られるのが、昼間はそれほどでもないのに、夜寝てからたびたび尿意をもよおしてトイレに行く夜間多尿です。これは腎臓の働きが低下してきた際に最初に気づく自覚症状となることも多く、腎臓が濃い尿をつくることができなくなってしまったことが原因です。反対に、急性腎炎の最初の時期や急性腎不全(第3回参照)などで尿量の減少がみられます。
自覚症状がない場合でも、健康診断等でたんぱく尿・血尿が見つかる場合があり、腎臓病の症状として重要です。また、そのほかの尿異常として尿が濁ってみえる混濁尿がありますが、原因として尿の中に塩分が増えている場合や、白血球が非常に多い場合(膿尿)などが考えられます。
次回は「シニアが特に注意したい腎臓病(1)」です。
|