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脳卒中について知っておこう 第5回
働き盛りの人に多いクモ膜下出血


クモ膜下出血とは?

 働き盛りの人々にある日突然起こり、悲惨な結末をたどることで知られている病気です。脳梗塞や脳出血は高血圧や動脈硬化が原因で、通常は中高年から高齢者に発症しますが、クモ膜下出血は、30〜40歳代の若い人、女性にも起きます。
 わが国では人口10万人あたり1年に約20人発症します。男女比は1対2で女性の方が多いのが特徴です。

 

クモ膜下出血の原因

 クモ膜下出血の原因の80〜90%は動脈瘤の破裂によるものです。脳の表面は軟膜、その外側はクモ膜、さらに外側は硬膜でおおわれています。軟膜とクモ膜の間には、クモ膜腔とよばれる隙間があります。脳の動脈硬化によってできた動脈瘤の破裂や脳動脈・静脈の異常などで、クモ膜腔に出血するのがクモ膜下出血です。
 動脈瘤がなぜできるのかはまだ完全には究明されていませんが、脳血管の膜が先天的に弱いためではないかと考えられています。したがって、年齢を問わずに起こり、他の血管の病気にくらべて若い世代に発症する例が少なくありません。喫煙、高血圧、アルコール摂取過剰が危険因子ですが、それは脳動脈瘤を破裂させる原因となるからです。

 

クモ膜下出血の症状、合併症

クモ膜下出血の症状 イメージ 今まで経験したことのない激しい頭痛が、突然起こります。俗に「ハンマーで殴られたような」という表現をするほどの強さです。吐き気を伴い、首の後ろ側の筋が固くなる項部硬直(こうぶこうちょく)も現れます。
 出血が軽いときは頭痛もそれほど激しくなく、むしろ片頭痛と見過ごしがちです。しかし、クモ膜下出血は放置しておくと再発作を起こしやすくなります。頭痛が数日続くときはクモ膜下出血を疑い、慎重に対処する必要があります。
 また意識が薄らいだり、意識不明に陥ったりすることもあります。出血が多い重症の場合にはそのまま昏睡となり、死にいたるケースもあります。
 クモ膜下出血の場合、合併症が起こることもあります。心肺機能異常を合併し、不整脈による心不全、呼吸不全を併発する場合があります。また、脳内出血で運動ニューロンが障害されれば、片麻痺が起こることがあります。動脈瘤ができた場所によっては、動眼神経麻痺(眼瞼下垂、瞳孔散大、複視など)が起こることもあります。


次回は「クモ膜下出血の治療法」です。

2004年3月1日

※この原稿は神経内科医が監修しています。
記事の無断転用を禁じます
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