|
運動療法で血圧が下がる
適度な運動をすることで血圧が低下します。中等症高血圧(収縮期血圧が180mmHg未満、拡張期血圧が110mmHg未満)までなら、食事慮法と運動療法だけで薬物に頼ることなく血圧が下がる例が少なくありません。
心臓病などがない中年の人では、息が切れない程度、つまり脈拍が1分間に110〜120程度になるような運動(たとえば、早歩き、サイクリング、水泳など)を、毎日30分、または週3日1日60分ずつ、数カ月続けると、血圧が5〜15程度低下します。
運動は筋肉の新陳代謝を盛んにし、全身の筋肉に酸素を送る心臓や肺も活発にさせます。継続的な運動をすることは私たちの心肺機能が鍛えられ、次のようなさまざまな効用がもたらされます。
- 血液中で血圧を下げる働きをする物質(プロスタグランディンなど)が増加する
- 血液中の血圧を上げる働きをする物質(カテコラミンなど)が減少する
- 筋肉が鍛錬されることで、酸素の取り込みが効率よくできるようになる
- 脂肪が燃えやすくなり、肥満防止、糖尿病にも効果がある。これらと合わせて動脈硬化をおさえ、心筋梗塞や脳卒中の予防に効き目がある
ウォーキングなどの有酸素運動がベスト
運動療法をはじめる際には、注意事項が2つあります。ひとつは現在の血圧が運動療法を行うのに適切な状態かどうか判断することです。またどういう種類の運動が適切か、きちんと選ばなくてはなりません。
運動療法で効果が出るのは、軽症から中等症の高血圧症の人です。誰でも実践すればよいというものではなく、重症高血圧の人や合併症がある人は、運動してよいかどうかを主治医の先生と相談しましょう。
高血圧の人に向いている運動は、酸素を十分に取り込みながら行える有酸素運動です。ふつうに呼吸しながら筋肉を伸び縮みさせ、血液中の脂肪やブドウ糖をゆっくりと継続的に燃やしていくことができます。無理のない運動を長期間にわたって続けることで、より効果を上げることができます。
なかでもウォーキングがベストです。水中ウォーキングや水泳も、水の抵抗や浮力が利用できてよいでしょう。ジョギングやサイクリング、エアロビックなどで負荷が大きいものは、血圧や合併症の状況を見ながら行ってください。
また、瞬発力を競うような無酸素運動(懸垂、腕立て伏せ、重量挙げなど)は避けた方が無難でしょう。
|