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低血圧がもたらす多様な症状
本や雑誌で高血圧の特集はよくみかけるのに対し、「低血圧」についての本は少ないなど軽視されている感のある低血圧ですが、その割りに、「低血圧だから午前中は頭がぼーっとしている」「低血圧だから目まいがひどい」といった話をよく耳にします。実際、低血圧の症状で悩む人は結構多いのではないでしょうか。しかも、その症状は全身に及んでいて、身体的な症状だけにとどまらず、心理的な症状もあり、生活上の不便を生じているケースもあります。
よくみられる症状としては、疲れやすい、体がだるい、めまい、ふらつき、立ちくらみ、スタミナがない、足のむくみ、手足の冷感、息切れ、胸の痛みなど。消化器症状としては、下痢・便秘、嘔吐、食欲不振など。慢性疼痛としては頭痛、肩こり、腰痛などがあげられ、さらに心理的な症状として、ストレスに弱い、神経質といった傾向もみられます。
このように低血圧の症状は、誰でも経験したことのあるような一般的なものであるため、その症状が低血圧によるものとは思っていないことも少なくないようです。
食後に血圧が下がることもある
では、どうして低血圧になるのでしょう。血圧は物理的にみると、“心臓から送り出される血液の量(心拍出量)”と“末梢血管の抵抗”の2つの要因により決まります。心拍出量が低下していたり、末梢血管が広がると、血圧は下がります。末梢血管の拡張・収縮を指令しているのは、交感神経と副交感神経からなる自律神経です。これが乱れ血管が拡張すると、低血圧が起こります。
一般的に、低血圧による症状は春から夏にかけて悪化しやすくなります。夏には汗で体の水分が少なくなり血液の全体量が減少するとともに、気温が高いために血管が広がり血圧が下がるせいです。また、食後に低血圧を起こすことがあります。これは、食物を消化するために内臓へ流れる血液量が増え、相対的に脳へ流れる血液量が減少するため、脳の自律神経の働きが低下するからではないかと考えられています。
高血圧の人にもある起立性低血圧
高血圧の基準は140/90mmHg以上となっていますが、低血圧の場合、特に定められた基準はありません。一般的には100/60mmHg以下が低血圧の範囲とされています。
横になっていて急に立ち上がると、立ちくらみや目まいを起こすことがあります。これは低血圧の人に限らず、高血圧の人にも起こる症状です。起立すると、大量の血液が心臓より下にある下肢や内臓などにたまり、心臓へ戻る血液量が減り、心拍出量が低下するために血圧が下がります。ただし、普通はさまざまな代謝機構が働いて血圧は一定に保たれますが、自律神経の異常などで代謝機構がうまく機能しなかったり、血液量がもともと少なかったりすると血圧の維持が難しくなり、血圧が一時的に低くなります。20mmHg以上、血圧が下がる場合を起立性低血圧といいます。
低血圧の治療の第一は3食きちんと食事をする、十分睡眠を取るといったライフスタイルの改善です。運動は高血圧の改善にも役立ちますが、低血圧にも効果を発揮します。運動をすることによって、筋肉の収縮と弛緩が繰り返されるため、血流がよくなるからではないかといわれています。
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