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直立歩行が高血圧をもたらした!?
「血圧が高いから今、減塩中」とか「低血圧だから朝が弱い」などと私たちはよく言いますが、牛や豚が高血圧で悩んだ、という話はまず聞いたことがありません。
人間以外の哺乳動物は四足歩行です。キリンや馬は別にしても大半の動物は、心臓と脳の高さはそれほど差がありません。したがって、心臓に強いポンプの力がなくても、血液を全身に送ることができます。
一方、ヒトは直立歩行をするようになり、頭部は心臓よりも高い位置になりました。血管の抵抗に打ち勝って、その高い場所まで血液を送り込まなければならなくなり、その結果、ヒトは血圧を上昇させるという生理機能を備えたのです。
高血圧症の90%は、原因のわからない本態性高血圧です。これは、直立による高血圧の要求と、それに対する調節機構が今なお体内で十分に完成していないことも一つの原因ではないかと推測されています。
血圧がいちばん高いときは?
私たちは、「上の血圧はいくら」「下の血圧はいくら」という言い方をします。“上の血圧”とは、心臓が収縮して全身に向かって血液を送り出す際に動脈にかかる圧力で、正式には収縮期血圧(最大血圧・最高血圧)といいます。“下の血圧”の正式名は拡張期血圧(最小血圧・最低血圧)で、血液が心臓に戻り、次の収縮に備えて心臓が拡張したときの血圧のことです。以前は上の血圧よりも下の血圧のほうが重要といわれていましたが、今はその説は否定されています。
体のどこにおいても同じ圧力が血管壁にかかっているかのように思いがちですが、実際にはそのようなことはありません。血圧がいちばん高くなるのは、肺で酸素を取り入れた新鮮な血液が心臓の左心房から左心室に入り、心臓のポンプ作用で大動脈へ押し出されたときです。そして、血液が全身を回るにしたがい血圧は低くなり、右心房に戻ってくる手前ではゼロに近くなります。また、上半身よりも下半身のほうが重力などのために血圧は高くなります。
病院で測ると血圧が高くなる人は
「白衣性高血圧」かも
血圧は体の同じ場所であっても一定ではありません。1日に約10万回もおこなわれる心臓の動き(心拍数)とともに変動するといってもよいでしょう。しかも、心拍数は外的・内的環境の影響を受けやすいため、血圧もそれに伴い変わりやすいという特徴をもっています。
例えば、1日のうちでは起床前がもっとも低くなり、午後2〜4時ごろに血圧は最高になります。一方、夜間は収縮期血圧で約10%は昼よりも低くなります。もちろんこのような血圧の変動には個人差があります。中には、家で測ると正常なのに、病院で血圧を測定すると高いという人がいます。これは、医師や看護婦の白衣で緊張してしまうことが原因といわれ、「白衣性高血圧」と呼ばれます。したがって、平均的な血圧値を得るには、一度のみならず何度か測定する必要があります。最近は性能の良い家庭用の血圧計が市販されていますので、それを使って定期的に測定し、自分の血圧値を知る目安にするとよいでしょう。
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