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愛の根拠は最初からすれ違い?
男と女の間に埋められない溝があるらしいことは、これまでずっと小説や詩の題材になってきました。科学の分野でも、Tシャツ研究でこの溝がより鮮明に浮き彫りにされました。男と女がかぎ分けているものには、どうも微妙な差があるらしいのです。ひょっとしたらお互いを愛する根拠は、男と女では最初からすれ違っていたのかもしれません。
98年に報告されたあるTシャツ研究の結果、女性は月ごとのライフサイクルの中で妊娠する可能性が高い期間にだけ、すばらしく身体の均整のとれた、つまり体型的により左右対称な男の体臭を好んだといいます。身体の均整というものは遺伝子的な質の指標になるのだそうです。
女が子孫に有利な条件をかぎ分けているのだとしたら、男はいったい何をかぎ分けているのでしょうか。2001年に米国テキサス大学の認知心理学者らが報告したTシャツ研究で、またまた衝撃的な事実が明らかになりました。なんと、男は女が妊娠できる時期をかぎ分けているというのです。女が質で勝負しようとしているのに、男は数で勝負しようとしていたのです。
この研究ではまず経口避妊薬を飲んでいない、正常な生理周期の22歳前後の女性17人が生理初日から13〜15日目の卵胞期に着用したTシャツと、同20〜22日目の黄体期に着用したTシャツが用意されました。その女性達とは面識のない男性52人が、真の研究目的を知らされずに、それぞれのTシャツの匂いの強さ、セクシーさ、快適さに関して得点を付けました。その結果、妊娠する可能性の高い卵胞期の体臭は、黄体期のものよりセクシーでもあり、良い匂いでもあると評価されたのです。
実際には香水や化粧品、煙草などでオリジナルの体臭が隠されてしまいますので、出会いがしらにケミカルなフィーリングを察知することは難しいでしょう。彼女の体臭の変化に気付くには、いつも一緒にいる方が有利です。もしあなたが注意深く彼女を見守っていれば、妊娠可能な時期には肌の色が明るくなり、魅力的な体臭を放つようになるという微妙な変化がわかるかもしれません。そして古今東西、男女のかけ引きには体臭の変化も大いに暗躍してきたのかもしれません。
ところで、これまでは人間の女だけが妊娠可能期間(動物で言えば発情期)を隠しているばかりか、自分でも知り得ないといわれてきました。Tシャツ研究は、この長年にわたって信じられてきた常識をくつがえしたのです。あまり話題になっていないようだけれど、これはかなりすごい発見だとサトリは思います。
2001年11月19日
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