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花粉が飛散する前に予防薬を
花粉症にいったんかかったら、それ以降は毎年おつき合いをすることになります。というのは、現代医学をもってしても、花粉症を完全に治すことはできないからです。しかし、だからといってあきらめるには及びません。治療していれば、かなり重症でもほとんど支障のない日常生活を送ることができます。
治療の中心は薬物療法になります。
花粉症治療のポイントは先手必勝だといわれます。花粉が飛ぶ数週間前から抗アレルギー薬を毎日飲んだり、点眼薬をさし防腐剤の入っていない人工涙液で目を洗ったりすると、花粉がたくさん飛びようになってからも症状が軽減するとされています。これらは肥満細胞から放出されるヒスタミンやロイコトリエンを抑制する薬です。
この予防療法を受けなかったり、予防効果が思わしくないときは、くしゃみや鼻水には抗ヒスタミン薬、鼻づまりや目の症状には抗アレルギー薬を服用します。症状の中等度や重度の人には、くしゃみ、鼻づまりには局所ステロイド薬や抗ヒスタミン薬などが、鼻づまりには血管収縮薬などが処方されます。
根気を要する減感作療法
花粉症の予防的手段として、アレルギー症状を起こす抗原に体を少しずつ体を慣れさせていこうという減感作療法があります。これには特異的減感作療法と非特異的減感作療法の2種類があります。
特異的減感作療法では、スギなどのエキスを、最初は1週間に1度、3カ月後ぐらいからは2週間に1度、その後も2〜3年は毎月1回のペースで注射を受けなければなりません。万一、途中で止めると、再び最初からやり直しとなります。このようにかなり根気が必要ですし、続けたとしても100%成功するとは限らず、しかもそのエキス以外の花粉による花粉症には全く効果がありません。
非特異的減感作療法はヒト免疫グロブリンと呼ばれる血液製剤が用いられます。血液製剤はかつてC型肝炎やエイズを引き起こしたことがあるため、最近はメーカーが血液製剤そのものを製造しなくなっています。
こうした理由から減感作療法は減少傾向にあります。
手術療法が検討されることもある
必要に応じて手術が選択されます。
下鼻甲介(かびこうかい)という部分が腫れて鼻がふさがってひどい鼻水症状を起こしている場合は、そこをレーザーを用いて焼き切ったり、ハサミやメスで切除します。どちらの方法も顔の表面を傷つけるものではありませんから、美容上の心配は無用です。
レーザー治療は基本的には通院で受けることができますが、切除手術は出血がみられるため、通常、入院が必要です。痛みもレーザー治療のほうが少ないことから、最近はこちらのほうが主流になっています。ただし、1回で十分な効果を得られることが少なく、2〜3回通院してレーザー照射を受けるのが一般的です。
そのほか、鼻中隔湾曲矯正といって、鼻の真ん中にある仕切り(鼻中隔)の曲がり方が大きくて鼻づまりの原因になっている場合には、鼻中隔を矯正する手術が行われます。

★注射1本で治る治療法に副作用★
2、3年前に「一発で治る注射」が話題になりました。これはステロイドを大量に用いる方法で、1回の注射で翌日から症状が聞け、数週間効果が持続します。もともとこの療法は、激しいぜんそくの発作などを抑えるための強力なもの。副作用として、顔が満月のようにむくんだり、皮膚障害などの危険性があります。そのため、日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会では、このタイプのステロイド療法は危険であると警告しています。
次回は「セルフケアで花粉症を予防」です。
2004年1月19日
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