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詳しく知ろう! 椎間板ヘルニア 第3回
手術が必要なのはどんなとき?


「ラブ法」と「腰椎固定術」

 保存的療法を行っても症状が改善されない、腰痛の発作が繰り返される、排尿・便通障害がある、下肢が痛んだりしびれたりする、日常生活に支障をきたしている、などの場合では手術が検討されます。
 手術で一般的に行われているのが背中を切って、パンチを挿入して脱出したヘルニアを切除する「ラブ法」です。この方法に関しては、80〜90%に良好な成績が得られるとの報告があります。入院期間は3週間程度必要です。
 最近では、ラブ法を顕微鏡下や内視鏡下で行うことも行われています。顕微鏡下手術の場合、切開する大きさが2.5cm程度ですみ、切開した部位を顕微鏡で拡大して立体視しながら処置できるため、細かな作業がやりやすいという利点があります。内視鏡下手術は切開部が約2cmとより狭くてすみますが、患部を立体視できません。いずれも、切開部が小さいため患者への負担が少なく、入院期間も短くてすみます。
 椎間板の不必要な動きが大きかったり、腰椎のズレがあったりするような場合には、これらの動きを止めるために、切開してヘルニアを摘出するだけでなく、変性した線維輪も取り除き、そこに骨盤などから取った骨や、セラミックなどの人工骨で椎骨を固定する手術が行われることがあります。これを「腰椎固定術」といい、背中側を切開して行う場合と、お腹側から行う場合の2種類があります。

 

日本で開発された
「経皮的髄核摘出術」

 こうした外科的な手術でもない、かといって保存的療法にも当たらない、いわゆる中間療法といわれるものもあります。日本で開発された「経皮的髄核摘出術」がそれです。背中に数ミリの孔を開け、パイプをさし入れ、その先の鉗子やカッターで患部の組織を掻き出し、ヘルニアをへこませる方法です。入院期間は1週間ほどです。

 

体への負担が少ないレーザー法

PLDDのメリット イメージ 鉗子やカッターで掻き出す代わりにレーザー光を用いて椎間板の中心部を焼いて空洞をつくり、圧力を減らしてヘルニアを引っこませようというのが「経皮的レーザー椎間板減圧術(PLDD)」です。この方法は経皮的髄核摘出術同様、背中を切開する必要がないため、傷口からの出血もなく、体へのダメージが少なくてすみます。加えて、所要時間は数十分と短く、入院期間も1〜2日ですむなどのメリットもあります。ただし、変形した脊椎が神経を刺激したり、飛び出したヘルニアが分離している場合には効果を期待できず、有効率は70%程度といわれています。また、術後、痛みがさらにひどくなったり再発したというケースも報告されています。まだ新しい方法なので、今後さらに研究、改良されていくものと思われます。
 なお、経皮的髄核摘出術、経皮的レーザー椎間板減圧術のいずれも、実施している施設はまだ少ないのが現状です。レーザー法は健康保険が適用されません。


次回は「再発を防ぐ日常生活のポイント」です。

2003年4月14日

監修:若野 紘一(医学博士・川崎市立井田病院 院長)
プロフィール
 昭和43年慶應義塾大学医学部卒業。昭和44年同大学医学部整形外科学教室入局。昭和54年米国アイオワ大学及びメーヨークリニック留学。慶應義塾大学整形外科専任講師、川崎市立井田病院整形外科部長等を経て平成13年より現職。昭和56年国際腰痛学会ボルボ賞受賞。
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