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検査値&セルフチェックからわかる肝機能の低下 第3回
愛と一緒にウイルスが紛れているかも…


肝炎の原因の大半はウイルス感染

 肝臓病の中で最も多いのは肝炎(肝臓の炎症)で、発熱や筋肉痛、全身の倦怠感、食欲不振、嘔吐、黄疸などの症状があらわれます。肝炎には急性と慢性とがあり、急性肝炎は1カ月ほどで治ることが多いのに対し、慢性肝炎は半年以上肝臓の炎症が持続して肝臓の機能が低下し、何年か後に肝硬変や肝がんに進行する場合があります。

 

A型肝炎は経口感染、
B型肝炎は性行為や血液を媒介とした感染

 肝炎の大半はウイルスに感染したことが原因で、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎などがあります。A型肝炎は、生の魚介類や生水などからの経口感染で、1カ月程度の潜伏期間の後発病し、慢性化することはありません。
 一方、B型肝炎の感染経路は、母子感染、輸血など血液を媒介にした感染や、性交渉による感染です。母子感染とは、B型肝炎ウイルスに感染している(キャリアといいます)母親から生まれた赤ちゃんが感染し、大人になって発病することです。この母子感染の予防策として、母親がB型肝炎キャリアだった場合、子どもの出生直後に感染を防ぐためのワクチンを投与します。そのため、今では母子感染はほとんどなくなりました。
 輸血による感染も現在ではほとんどありません。輸血用の血液に、HBs抗原(B型肝炎を調べる検査。陽性なら現在B型肝炎に感染)やHBc抗体(値が高い場合は現在キャリア、低い場合は一時的な感染か過去に感染したことを示す)の検査を実施するようになったからです。ほかに、血液による感染としてまれに、医療従事者が感染者の血液がついた注射針を誤って指などに刺す針刺し事故や、刺青やピアスの穴あけなどで使用する器具からの感染(消毒が十分でない場合)があります。

 

パートナーがB型肝炎のキャリアなら、
感染防止のためにワクチンを

B型肝炎の感染経路は… イメージ B型肝炎の感染原因で最も多いのは性交渉で、「ハネムーン肝炎」という言葉さえあります。触れたり、キスをしたりしただけでは感染しませんのでご安心を。パートナーのどちらかがキャリアである場合、相手が急性のB型肝炎に感染する確率が高くなります。そのため、パートナーがキャリアで、相手がB型肝炎に対する免疫を持っていない場合(HBs抗原もHBs抗体も陰性の場合)は、B型肝炎のワクチンを接種して予防します。結婚前などは、2人で肝炎ウイルスの検査を受けておくとよいでしょう。ただし、B型肝炎の症状が見られないときに検査すると保険の適用はありません。検査費用は医療機関によって多少差がありますが、せいぜい数千円程度です。
 また、海外旅行先などでよく知らない相手と性交渉をして感染する人も多くいます。予防のためには、必ずコンドームを使用するようにしましょう。

 

C型肝炎が性交渉で感染するのはまれ

 C型肝炎は、血液を介して感染します。1989年までは、輸血した人の8.7%がC型肝炎(以前は非A非B型肝炎とよばれていました)に感染していましたが、今ではほとんどありません。1990年代初めから、献血のときにHCV抗体(C型肝炎の検査。陽性なら現在C型肝炎にかかっているか、過去に発病したことがある)の検査がおこなわれるようになったためです。また、B型肝炎に比べて感染力が弱いため、母子感染や性交渉による感染は非常に少ないようです。


(ライター:望月芳子)

次回は「気づかないうちに体を蝕むC型肝炎」です。

2002年8月19日

※この原稿は外科医師が監修しています。
記事の無断転用を禁じます
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